千葉 成田・成田空港 日本首都圏の玄関として建設された成田国際空港

成田・成田空港
なりた・なりたくうこう

日本国千葉県成田市

千葉 成田・成田空港 日本首都圏の玄関として建設された成田国際空港

 成田国際空港(なりたこくさいくうこう)は、千葉(ちば)県の成田(なりた)市にある日本を代表する国際空港で、世界各国の主要都市から飛行機が乗り入れており、日本の首都圏の玄関口となっている。

 昭和53年(1978年)に新東京国際空港として開港した成田空港は、大型ジェット機の普及と、高度経済成長を経てグローバル化する日本の航空路線の需要急増に対応するため建設された新空港であり、東京羽田空港を国内線に特化し、成田空港に国際線を集中させるという役割分担が図られた。

 成田空港は現在、日本の首都を代表する空港として機能しており、韓国ソウル、台湾の台北(桃園)、香港、中国の北京、上海、大連、広州、東南アジアのマニラ、バンコク、シンガポール、クアラルンプール、ジャカルタ、ロシアのモスクワ、ヨーロッパのロンドン、パリ、フランクフルト、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス、大洋州のホノルル、グアム、シドニーなど、世界各国の主要都市に航空路線網が形成されている。

 東京ベイエリアの大都会の海辺の羽田空港とは対照的に、成田空港に着陸する際には、のどかな田園や森林の風景が広がり、大都会・東京のイメージは感じられない。郊外に建設した新空港であるが、郊外だからこそアクセスの不便さは否めず、近年は羽田の再国際化も行われ、成田は欧米長距離路線や国際地方都市へのネットワークの強化、格安航空会社(LCC)の強化などにも力を入れている。

 新空港建設にあたっては、千葉県の浦安(うらやす)市の埋立地、成田市の南の富里(とみさと)村(現・富里市)、茨城県の霞ヶ浦(かすみがうら)などの候補もあったが、最終的に昭和41年(1966年)に当時の佐藤栄作(さとう えいさく)政権が成田市の三里塚(さんりづか)に建設することを決定した。

 もし浦安に新空港ができていたら、東京ディズニーランドのあたりが新空港になっていてさぞかし便利であっただろうが、おそらく既存の羽田空港の管制との兼ね合いで見送られたのだろう。なぜわざわざ不便な成田に新空港が建設されたのかは、用地取得面からの配慮が大きかったようだ。成田の三里塚地区は国有地の宮内庁下総御料牧場があり、その周辺も県有林が広がり、農地も満洲からの引揚者による開墾農地だったため、当時の政府は用地の取得が行いやすいと考えていたようだ。

 ところが建設をめぐって事前の地元への説明や根回しを欠いたことから空港建設反対運動が起こり、強引に建設工事を進めようとしたことから、新左翼の支援も得た反対運動が先鋭化し、土地収用時には機動隊との衝突も起こり、高さ60mを超える鉄塔(岩山鉄塔)を建てるなどして建設に抵抗した。このため、当初の予定していた昭和47年(1972年)の開港は延期された。昭和52年(1977年)に鉄塔が撤去され、それをめぐって反対派と機動隊との激しい衝突も起こった。その翌年にようやく開港することになったが、直前に反対運動をしていた左翼ゲリラが管制塔占拠事件を起こし開港が約2ヶ月延期され、さらには酒々井町の京成電鉄・宗吾車両基地での中核派による京成スカイライナー放火事件も発生し、物々しい中、昭和53年(1978年)5月に新東京国際空港(成田空港)が開港した。

 このように成田空港は、やむをえず建設を強行した側面もあり、空港へのアクセス路線も混乱があった。東京都心からかなり離れた成田に建設されることが決まり、そのアクセスとして、東京~成田空港を結ぶ成田新幹線が計画された。現在のJR京葉線・東京駅の地下ホームが起点で、越中島から荒川を渡って地下鉄東西線と並走して原木中山から中山競馬場近くを通り、千葉ニュータウン中央を経由して印西牧の原、印旛沼を通って成田空港へ至るルートが計画されていた。成田新幹線は昭和46年(1971年)に着工されたが、東京、千葉ニュータウン、成田空港の3駅しか設置計画がなく、通過するだけでメリットのない沿線自治体や住民が反対し、用地買収が困難を極めた。結局、成田空港の近くだけが造られただけで、開港時の開業には全然間に合わず、昭和58年(1983年)に工事が凍結された。

 そこで東京の上野(うえの)から成田駅を結んでいた京成電鉄が成田~成田空港(現・東成田)を建設した。京成は当初開港予定だった昭和48年(1973年)にはすでに「スカイライナー」の車両が出来上がっていたが、肝心の空港が開港せず、中途半端な状態が続いていた。昭和53年(1978年)の開港により、ようやく成田~成田空港が開業し、上野~成田空港を結ぶスカイライナーは名実ともに空港アクセス特急の役割を担うことになった。だが、初代の成田空港駅は、成田空港ターミナルに成田新幹線の駅が建設されていたことから、ターミナルビルと離れた場所(現在の第1と第2の中間)に京成・成田空港駅が造られたため、空港を利用するには10分以上歩くか、バスに乗り換える必要があり、極めて不便であった。

 工事が凍結されて放置されていた成田新幹線の構造物を再活用するため、JR東日本・成田駅からのJR線乗り入れと、京成の初代・成田空港駅の手前から分岐して、成田新幹線・成田空港駅のところへ乗り入れることになり、平成3年(1991年)に成田新幹線計画の路盤を利用したJRと京成の新線が開業し、空港第2ビルと成田空港(第1ターミナル)の地下に乗り入れが実現した。京成「スカイライナー」は便利になり、JRは特急「成田エクスプレス」の運行を開始した。京成の旧・成田空港駅は東成田駅となった。東成田駅は空港ターミナル駅の機能を失い閑散とするようになったが、廃止されることなく、空港建設で東西の往来が分断される芝山町への見返りとして、平成14年(2002年)に東成田駅から空港の裏側にあたる芝山町の芝山千代田駅まで芝山鉄道が開業し、京成と直通運転するようになった。また、東成田駅と空港第2ビル駅を結ぶ連絡通路もあるが、東成田駅の利用者は少ない。

 成田空港の反対闘争は、実際にはまだ続いており、成田空港の敷地内には今もいくつか反対派が所有する土地が残る。第二ターミナルの南東、芝山町側のC誘導路にはフェンスや金網で囲まれた「横堀鉄塔」が今も残り、内部には「抗議する農民」の像が置かれ、「案山子亭」などもあるのだという。一般立入はできない。このほか、成田市側にも「木の根ペンション」や「東峰神社」といった反対派が所有する土地が点在し、B滑走路の延長やC横風滑走路の建設を困難にしている。

 成田空港は、根強い反対運動で当初の拡張計画がなかなか進まなかったが、開港以来、順調に旅客数も伸び、平成4年(1992年)に第2ターミナルビルがオープンし、地下にJRと京成の空港第2ビル駅が開業した。平成14年(2002年)には暫定平行滑走路の供用が始まり、平成16年(2004年)に正式名称が「新東京国際空港」から「成田国際空港」となった。平成27年(2015年)には格安航空会社(LCC)用のターミナルとして第3ターミナルビルがオープンした(最寄駅は空港第2ビル駅)。

 一方、鉄道のアクセスが時間がかかり、羽田と比較して遠い空港というネガティブなイメージがぬぐえなかった。成田空港の利用者が順調に増えてきたことから、北総鉄道を活用し、成田空港まで旧・成田新幹線の未着工区間を復活させる計画が具体化し、平成22年(2010年)の成田スカイアクセス開業により「スカイライナー」は新線経由になり、最高時速160キロで上野まで約40分で結ばれるようになった。成田スカイアクセスの開業に合わせて、京成は成田空港駅と空港第2ビル駅を拡張し、スカイライナーの車両も新型に置き換えた。

 成田空港から東京方面へのアクセスについては、京成の「スカイライナー」が最も速く結んでいる。但し、京成の東京のターミナルは上野駅であり、それを補完するために一般車両の「アクセス特急」が成田スカイアクセス経由で都営地下鉄浅草線に乗り入れ、千葉ニュータウンや都心を結んでいる。また、京成本線経由の電車も成田、津田沼、船橋などの主要都市を結んでいる。

 JRは、特急「成田エクスプレス」はスカイライナーに比べると上野への所要時間では勝てないが、東京駅に直接アクセスしており、さらに渋谷、新宿、池袋なども結び、さらには埼玉県の大宮、神奈川県の横浜からも乗り換えなしで結ぶネットワークのよさが強みであり、住み分けている。普通・快速は、千葉駅と東京駅を直接結んでおり、2階建てグリーン車も旅行の際には快適である。

成田・成田空港エリアの主な駅

成田空港 / なりたくうこう 駅
JR東日本 成田線(空港支線)
京成電鉄 京成本線、成田スカイアクセス

空港第2ビル / くうこうだいにビル 駅
JR東日本 成田線(空港支線)
京成電鉄 京成本線、成田スカイアクセス

東成田 / ひがしなりた 駅
京成電鉄 東成田線
芝山鉄道 芝山鉄道線

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成田空港第1ターミナル

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第1ターミナルの展望台から見た南側の滑走路

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LCC向けの第3ターミナルと北側の滑走路

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JR成田空港駅

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京成成田空港駅とスカイライナー

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JR空港第2ビル駅と成田エクスプレス

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京成・空港第2ビル駅

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