台湾・台東 アミ族とプユマ族の文化が色濃い台湾東部の都市

臺東
Posong
タイタン/Tâi-tang (台湾語/ホーロー語)
ポソン/Posong (アミ語)
タイトン/ㄊㄞˊ ㄉㄨㄥ (台湾華語/北京語)

臺灣臺東縣臺東市
台湾台東県台東市

台湾・台東 アミ族とプユマ族の文化が色濃い台湾東部の都市

 台東(臺東/台:タイタン/華:タイトン)市は、台湾南東部の台東県にある人口約11万人の市。台東県最大の都市であり、台東県の県政府(県庁)所在地である。北東が東河(台:タンホー/華:トンホー/阿:ヴァヴォコッド)郷、西が卑南(台:ピーラム/華:ペイナン/卑:プユマ)郷、南が太麻里(タイモアリー/タイマーリー)郷に接している。

 台東県は、台湾の先住民である台湾原住民族が県人口の3割以上を占めている。台東県に住む原住民族はアミ(阿美)族、プユマ(卑南)族、パイワン(排灣)族、ブヌン(布農)族、ルカイ(魯凱)族、タウ(達悟)族の6族で、そのうち台東市にはアミ族とプユマ族が多く住んでいる。

 台東県の大部分は、台湾が清国時代になってもほとんど清国による統治が及んでいなかったが、19世紀半ばより福建省南部からの移民のホーロー系住民が増えていった。

 台東市の中心部は、もともとアミ族が住むポソン(Posong)という町で、後に台湾語で「寶桑」(ポーソン)という漢字が当てられた。1875年に卑南(ピーラム)庁が台東を管轄するようになり、1887年には台東直隷州に昇格した。日本統治時代は台東庁が置かれた。台東市は、日本統治時代の初期は卑南街と呼ばれていたが、1919年(大正8年)に台東街に改称され、都市の名前としての「台東」がここから定着することになった。戦後は中華民国政府とともに台湾に移った中国出身の軍人らも台東に住むようになった。1976年に台東県の台東鎮から台東市に昇格し、台湾東部を代表する都市として発展している。

 台東市の市街地は、台東の旧駅周辺に広がっている。ここは日本統治時代に開通した台東~花蓮港(カレンコウ/ホエレンカン)を結ぶ台東線の駅として開設された。その後、台湾東部の鉄道の改良工事が進められ、もともとナローゲージ(762mm)だった線路が1982年に台鉄のその他路線と同じ狭軌(1067mm)に改軌され、台北まで直通できるようになり、さらに1985年に南廻線の卑南~知本(ティープン/ツーペン)が部分開業し、1992年に枋寮(パンリャウ)まで南廻線が全線開業すると、台東線の卑南駅から高雄(コーヒョン/カオション)まで直通できるようになった。

 そして、南廻線全通により、卑南駅が台東新駅に改められ、台東の新たな玄関駅となり、台東新~台東は盲腸線となっていたが、2001年に台東新~台東が廃止され、台東新駅が台東駅に改称された。

 旧・台東駅は、台東の中心部に位置し、北側に市街地が広がっている。旧駅のすぐ近くに台東市公所(市役所)があるほか、駅から中山路をまっすぐ行くと台東県政府(県庁)庁舎がある。旧駅が廃止されてからは、交通の拠点でなくなったため、市街地の活気が以前に比べて失われたが、現在、旧駅跡地は台東鉄道芸術村(臺東鐵道藝術村)という観光スポットに生まれ変わっている。台東の市街地では、旧暦1月15日の元宵節に、「炸寒單爺」(ツァーハンタンヤー)という爆竹とロケット花火の祭りが盛大に行われる。

 旧駅近くの鯉魚山(リーヒーソワ)は、アミ語ではヴァラガウ山と呼ばれる。ここは海抜75mの低い山であるが、ここから台東の市街地が一望できる。ここには、かつて日本時代に台東神社があったが、戦後は中華民国の戦死者を祀る忠烈祠となっている。

 台東(旧駅)~台東新駅の間には馬蘭(マーラン)という駅があったが、馬蘭という地名は、アミ族のヴァラガウ(馬蘭)集落のことを指している。

 台東駅(新駅)は、台東の新しいターミナル駅であるが、台東市中心部からは離れており、駅前は広いが、にぎやかさはない。台東駅は多民族の都市らしく、台東県を走る電車は華語、台湾語、客家(ハッカ)語に原住民族のアミ語を加えた4言語でアナウンスされる(特急電車などは英語も)。2014年6月には台東線が電化され、台北(臺北/タイパク/タイペイ)から特急プユマ(普悠瑪)号やタロコ(太魯閣)号が乗り入れるようになった。

 台東駅は、かつては卑南駅と呼ばれ、近接する卑南郷への最寄り駅でもあった。「卑南」(ピーラム/ペイナン)とは清国時代の中国人が呼んだ「プユマ族」のことである。プユマ族は主に台東市と卑南郷にまたがって分布している。台東駅近くの南王(ラムオン/ナンワン)という集落は、プユマ語で「プユマ」(Puyuma)と呼ばれるプユマ族を代表する集落の一つ。南王に「卑南」とは、まるで「卑弥呼」を連想させる。

 プユマ族はプユマ(卑南)八社という代表的な8つの集落があり、そのうちプユマ(Puyuma/南王)、カサヴァカン(Kasavakan/建和)、カティプル(Katratripul/知本)が台東市にあり、そのほかピナスキ(Pinaski/下檳榔)、リカヴォン(Likavung/利嘉)、パンキウ(Pankiu/班鳩)、アリパイ(Alripay/上檳榔)、ウリヴリヴク(Ulivelivek/初鹿)などは卑南郷にある。

 台東駅(新駅)と車両基地を建設する際、大量のプユマ族の遺跡が出土し、台湾新石器時代の大きな発見となった。この出土品などを保存し、学術的に役立てるため、市内を走る南廻線の康楽(康樂/コンロク/カンロー)駅の近くに、国立台湾史前文化博物館(國立臺灣史前文化博物館)が2002年にオープンし、博物館の西側には卑南文化公園が開設された。

 台鉄南廻線の知本駅は、プユマ族のカティプル集落の最寄り駅であり、駅から知本渓を山側へ3キロほど入ったところに知本温泉があり、知本温泉は卑南郷側に属している。 

 台東豊年空港(臺東豐年機場)は、台北松山空港への便があるほか、台東県の離島である緑島(綠島/リクトー/リュィータオ)やタウ族の住む蘭嶼(ランスウ/ランユィー/ポンソ ノ タオ)への路線がある。台東空港も台東駅と同様にアミ語によるアナウンスがある。

台東エリアの主な駅

臺東 / タイタン(タイトン) 駅
台鉄 台東線(東部幹線)、南廻線

知本 / ティープン(ツーペン) 駅
台鉄 南廻線
 
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旧・台東駅

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旧・台東駅

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旧台東駅を活用した台東鉄道芸術村

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鯉魚山の忠烈祠(旧・台東神社)

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台東駅(新駅)

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台東駅に停車している特急自強号と普通電車

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台東駅にやって来た蒸気機関車

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豊年祭でのプユマ語の看板

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プユマ族の豊年祭

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知本駅で折り返す特急タロコ号

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