ウクライナ・チョルノーブィリ チェルノブイリ原発事故から25年

Чорнобиль
Чернобыль
チョルノーブィリ (ウクライナ語)
チェルノブィリ (ロシア語)

Україна
Київська область
Чорнобиль
ウクライナ クィーウ州チョルノーブィリ

ウクライナ・チョルノーブィリ チェルノブイリ原発事故から25年

 2011年4月26日、世界中を震撼させた1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故から25周年を迎えた。2011年(平成23年)3月11日に日本では東日本大震災が発生し、大津波によって福島県の福島第一原発の電源が止まり、自動冷却装置が作動せず、爆発に至った。4月12日に、日本政府は福島第一原発の事故レベルがチェルノブイリ原発事故と並ぶ最悪の「レベル7」であると発表した。福島第一原発は特に1号機~4号機が損傷し、放射能が漏れ続けており、いまだ収束の見込みは立っていない。

 もう一つの「レベル7」であるチェルノブイリ原発は、1986年の事故当時は旧ソビエト連邦国内であったが、1991年にソ連崩壊後、ウクライナ(Україна)が独立し、チェルノブイリはウクライナに属することになった。

 チェルノブィリ(Чернобыль)という地名は旧ソ連のロシア語読みであり、ウクライナ独立後はウクライナ語が公用語となったことから、現在はウクライナ語でチョルノーブィリ(Чорнобиль)と呼ばれる。

 チョルノーブィリはソ連時代のロシア語読みでキエフ(Киев)として知られるウクライナの首都クィーウ(Київ)の北方約120キロ、クィーウ州(Київська область)にある都市で、同じく旧ソ連だった隣国ベラルーシとの国境にも近い。

 チェルノブイリ原発はチョルノーブィリ近郊のプルィーピヤチ(Прип'ять)川が流れるプルィーピヤチ市(ロシア語はПрипять/プリーピャチ)にある。

 チェルノブイリ原発は1978年に操業を始めた原子力発電所で、減速材に黒鉛を用いて、原子炉の冷却に軽水を用いる黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉と呼ばれる方式で、今回日本で事故を起こした福島第一原発とは仕組みがかなり異なる。事故を起こした4号機は1983年に完成したものであり、わずか3年で事故を起こしたことになる。同原発はウクライナを含む旧ソ連に電力を供給していたほか、ハンガリーなどの旧東欧にも電力を輸出していた。

 事故を起こしたチェルノブイリ原発4号機は、実験中に制御できなくなり、過熱して炉心溶融を起こし、さらに爆発とともに炉心の放射性物質が大量に大気中に撒き散らされた。ソ連当局は当初情報を隠蔽したため、周辺住民の避難が遅れ、住民や作業員の多くが被曝し、大量の放射線を浴びた。スウェーデンなどの外国でも放射性物質が検出されたことから事故の2日後の4月28日にソ連は事故を公表した。ソ連は爆発して燃える4号機に減速材である鉛を投入し、液体窒素などで冷却させることによって、10日後にようやく鎮静化し、その後「石棺」と呼ばれるコンクリート構造物で4号機の放射能を封じ込めた。

 ソ連当局は事故発生後36時間後にようやく原発周辺住民の避難を開始し、原発周辺30キロの住民約12万人が退避させられた。放射能汚染地域はウクライナのほか、原発の北にあるベラルーシでも汚染が広がり、南西の風に乗って、ベラルーシとロシア連邦の国境周辺も深刻な放射能汚染の被害を受けた。これらは「ホットスポット」と呼ばれ、原発から300キロ以上のところまで点在し、住民の移転と農業の無期限停止の措置がとられた。大量の放射線を浴びた住民や作業員、牛乳などから内部被曝した人たちは、ガンや白血病にかかりやすくなったという。福島第一原発事故でも大量に放出されたヨウ素131は、特に甲状腺ガンとの関連が指摘されている。

 チェルノブイリ原発は1号機~3号機が事故後も稼動し続けたが、2000年に最後の3号機の稼動が終了し、その後廃炉作業が進められている。「石棺」は25年が経過して老朽化しており、封じ込めた放射性物質が再び漏れ出す恐れがあることから、新たにシェルターを建築する計画があるようだ。このほか半減期が約30年と長いセシウム137が、チェルノブイリではあと数年で半減期となるが、近年一部の周辺地区の立ち入りが当局に認められるようになり、だんだん放棄された町の実態が明らかになってきた。

 プルィーピヤチ(プリピャチ)はチェルノブイリ原発で働いていた労働者らが住む町であり、約5万人弱が暮らしていたが、マンションなどの建物が当時のまま放置されている。また、事故処理の際に使われたヘリコプターや、避難時に使用したバスなども放射線量が高すぎることから放置されているのだという。チョルノーブィリ(チェルノブイリ)の市街地も同様にゴーストタウンとなっている。但し、ごく一部の住民はここに住み続けた。

 福島第一原発の放射性物質排出量は、チェルノブイリ原発の10分の1程度と日本政府は4月12日の時点で発表しているが、4月上旬までに放出された放射性物質は37京0000兆0000億0000万0000ベクレル(原子力安全・保安院)~63京0000兆0000億0000万0000ベクレル(原子力安全委員会)と試算されており、依然放射性物質の漏れが続いているし、冷却機能が安定していない以上、今後また状況が悪化する可能性もあり、予断を許さない危機的状況が続いている。

 福島第一原発周辺で立入禁止とされた半径20キロ圏内の「警戒区域」や、半径20キロ圏外でも放射線量が極めて高い「計画的避難区域」は、決して楽観的な状況ではないのだろう。放射能は目に見えないだけに、その被害状況はわかりにくい。今後この地域がどうなっていくのか心配でならない。一日も早く原発の放射線物質の排出を止めて安定化に成功させなければ、復興のビジョンは見えない。旧ソ連ウクライナで起こった原発事故が決して人事でなく、その重大事故の処理・解決がいかに困難なものであるか、チェルノブイリ事故25周年で改めて考えさせられた。除染の技術の進歩に期待し、原発周辺地域の一日も早い町の復興を祈りたい。

(参考:Wikipediaほか)

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