時の旅・2016年(平成28年) 北海道新幹線が開業、台湾で初の女性総統、英国でEU離脱が勝利、米国TPP反対のトランプ当選、リオ五輪開催

2016年
平成28年

時の旅・2016年(平成28年) 北海道新幹線が開業、台湾で初の女性総統、英国でEU離脱が勝利、米国TPP反対のトランプ当選、リオ五輪開催

当時の日本国首相 安倍晋三(自由民主党)

 平成28年(2016年)は、安倍晋三(あべ しんぞう)内閣総理大臣(首相)の安定政権が続き、外交面でも積極性がみられた。5月に三重県で伊勢志摩サミットが開かれ、米英仏独伊加など主要国の指導者たちが勢ぞろいした。アメリカ合衆国(米国)のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、サミット後に、現職の米国大統領としては初めて原爆被爆地の広島を訪問し、原爆被爆者とも会い、広島平和記念公園に献花した。

 安倍首相は、12月に太平洋戦争の開戦の舞台となった米国ハワイの真珠湾(パールハーバー)を訪れ、日米の指導者が70年前の戦争にけじめをつけ、未来志向の日米関係を築くことを誓い合った。また、米国は共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)が当選して政権交代となったが、安倍首相は就任前のトランプに米ニューヨークまで会いに行き、関係を築いた。

 さらに安倍首相は、12月にロシア連邦のウラジミール・プーチン(Владимир Путин)大統領を安倍首相の地元である山口県長門市に招き、日露首脳会談を行い、北方領土問題と経済協力を話し合った。北方領土問題については領土返還が期待できるほどの成果はなかったが、今後の米国とロシアの関係改善を見越した日露の関係構築には一定の戦略的成果があった。

 日本の天皇制のあり方に関して、天皇陛下が8月にビデオメッセージで「おことば」を発表して、高齢の天皇の公務について重い務めを果たすことが困難になった場合どのようにすべきかを問題提起され、これを受けて、現在の終身天皇制から上皇、摂政などにより生前退位を可能にするかどうかの議論が行われるようになった。

 国内政治では、低迷する第一野党の民主党と、「維新の党」が3月に合併し、「民進党」が発足した。党首は民主党代表の岡田克也が引き継いだ。その後、7月に行われた第24回の参議院選挙の当選議席(選挙前比)では、自由民主党121(+6)、公明党25(+5)で与党が圧勝し、野党は民進党49(-15)、日本共産党14(+3)、おおさか維新の会12(+5)、日本のこころを大切にする党3(±0)、社会民主党2(-1)、生活の党と山本太郎となかまたち2(-1)、日本を元気にする党2(-1)で、結果的に民進党が維新の党との合併効果を発揮できず惨敗した一方で、野党共闘を呼びかけた共産党が議席を伸ばした。また、「おおさか維新の会」は議席を伸ばしたものの、地域名称「おおさか」が関西以外で浸透しにくく、関西以外で伸び悩んだことから8月に党名を「日本維新の会」に戻した。

 参院選敗北を受け、民進党の岡田代表は9月の代表選に不出馬となり、元民主党の蓮舫が党代表に選出された。この選挙中には、日台ハーフの蓮舫の日本と台湾(中華民国)の二重国籍残存が問題視され、蓮舫は台湾国籍の放棄手続きを行ったと強調した。「生活の党と山本太郎となかまたち」は、小沢一郎代表が12月に党名を「自由党」に変更し、保守層にも支持獲得を目指す考えを示した。

 地方政治では、舛添要一・東京都知事の政治資金私用疑惑が噴出し、辞職したことを受け、7月に東京都知事選挙が実施され、小池百合子・元衆議院議員が圧勝し、東京都初の女性知事となった。小池知事は、東京オリンピックの高すぎる会場建設費問題や、豊洲市場の土壌汚染等の問題に切り込み、過去の都政の膿をあぶり出し、都民の喝采を浴びた。

 4月に熊本県でマグニチュード6.5と7.3の強い地震が3日間のうちに続けて発生し、しかも震源が浅かったため、熊本県益城町や西原村で震度7、熊本市や南阿蘇村などでも震度6強の強い揺れを観測。住宅が倒壊し、熊本城も石垣や建物が崩れ、南阿蘇でも橋が崩れ、150人以上が死亡するなど大きな被害が発生した。 

 社会では、神奈川県相模原市の障害者施設で19人が殺害される大量殺傷事件が発生。横浜市内の病院でも点滴に異物が混入され入院患者が複数死亡する事件が発生した。また、週刊誌による芸能人の不倫や薬物などのスクープが連発した。

 交通は、3月に北海道新幹線の新青森~新函館北斗が開業し、北海道から九州まで新幹線網がつながった。青函トンネルは、標準軌の新幹線と狭軌の貨物列車がいずれも通過できる3線軌道となったが、すれ違いの衝撃緩和のため青函トンネル内は速度制限されている。北海道新幹線の開業により、並行在来線であるJR江差線の五稜郭~木古内が「道南いさりび鉄道」に移管された。このほか、1月に阪堺電軌の住吉~住吉公園が廃止、12月にJR北海道・留萌本線の留萌~増毛が廃止された。JR北海道は自社のみでは運行持続が困難な路線区間を発表し、持続可能な経営への財政支援を求めた。1月にはJR東海リニア中央新幹線の品川駅が着工された。道路交通については、2月に新東名高速道路の浜松いなさJCT~豊田東JCTが開通し、東名高速道路の混雑緩和に役立った。

 音楽は、オリコン1位~4位をAKB48「翼はいらない」「君はメロディー」「LOVE TRIP」「ハイテンション」が占め、5位と6位も乃木坂46「サヨナラの意味」「裸足でSummer」が入り、秋元康系アイドルグループの人気が続いた。また、ジャニーズの「SMAP」が独立騒動を発端に、謝罪会見、解散へと進んでしまい、年末をもって解散したが、解散を惜しむファンらがCDを買う活動を行い、「世界に一つだけの花」が年間12位にランクインした。THE ALFEEのシングル「今日のつづきが未来になる」が週間トップ10入りし、1983年の「メリーアン」以来、50作連続シングルトップ10入りの記録を達成した。桑田佳祐のシングル「ヨシ子さん」も週間2位に入り、60代男性アーティスト最高記録となった。このほか、アイドルとメタルを融合した「BABYMETAL」や、ピコ太郎「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が海外でもヒットした。

 映画は、特撮のゴジラを現代版にして東京を襲う「シン・ゴジラ」や、新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」が大ヒットした。主題歌のRADWIMPS「前前前世」もヒットした。テレビドラマはTBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が「逃げ恥」の略称で契約結婚というストーリーが話題を呼び、主題歌の星野源「恋」に合わせてドラマ出演者が踊る「恋ダンス」も流行した。

 スポーツは、ブラジルでリオデジャネイロ・オリンピック(リオ五輪)が行われ、日本は柔道、レスリング、水泳、体操、バドミントンなどで12個の金メダルを獲得し、第6位だった。伊調馨が女子レスリングで五輪4連覇を達成し、内村航平が体操個人総合で優勝した。また、卓球も男子団体が銀メダル、福原愛をキャプテンとする女子団体でも銅メダルと健闘した。閉会式には次期東京大会への引継ぎで、日本の安倍首相が演出でマリオの格好をして登場し、話題となった。

 野球は、ペナントレースでセリーグが広島東洋カープが25年ぶりに優勝、パリーグが北海道日本ハムファイターズが優勝し、日本シリーズでは、大谷翔平投手らの活躍で日本ハムが日本一となった。大相撲は、白鵬、日馬富士、鶴竜といったモンゴル人力士が活躍する中、琴奨菊や豪栄道といった日本人力士も優勝し、底力を見せた。

 世界の動きは、台湾(中華民国)で1月に総統(大統領)選挙と立法委員(国会議員)選挙が行われ、野党・民主進歩党の蔡英文(ツァイ インウェン)が56%獲得し、与党・中国国民党の朱立倫の31%、親民党の宋楚瑜の13%を大きく引き離して当選し、8年ぶりの政権交代となった。また、国会選挙は、民主進歩党68(+28)、中国国民党35(-29)、時代力量5(+5)、親民党3(±0)、その他2(-1)となり、与党だった中国国民党が惨敗し、野党の民主進歩党が初めて過半数を制した。また、2014年の「ひまわり学生運動」を支持基盤とする新政党の時代力量が5議席を獲得し、第3勢力となった。

 5月に台湾の蔡英文総統が就任し、台湾初の女性リーダーの誕生となった。中台関係について「現状維持」を公約として当選した蔡総統は、中華人民共和国(中国)が台湾に受け入れを迫る「一つの中国」を認める「1992年合意」について、馬英九(マー インチョウ)前総統が主張していた「一中各表」(一つの中国の解釈を各自表明する)に基づく「一つの中国=中華民国」という路線を修正し、中華民国憲法と両岸人民関係条例に基づき両岸実務を処理し、「1992年会談」の歴史的事実を尊重するという立場をとり、中国との対話を呼びかけた。民主進歩党は、これまで中華人民共和国のことを「中国」と呼んでいたが、蔡総統就任後に台湾政府が国民党前政権の「中国大陸」という呼び方を踏襲したため、中台を明確に区別することを望む従来の支持者の期待を損ねた。蔡総統は外交や対中の分野で国民党系の人材を積極的に登用し、急激な変化を避け、中国に対する刺激を避けようと努めた。しかし、中国政府は「一つの中国」を認めない台湾政府との対話を一方的に打ち切り、「一つの中国」受け入れを迫った。それに対し蔡総統は、善意は変わらず、約束も変わらないが、「中国」の圧力に屈服せず、対抗の古い道にも戻らないと呼びかけた。総統選挙や立法委員選挙で共闘していた民主進歩党と時代力量は、民主進歩党が政権与党となってからは選挙公約から実際の政策がトーンダウンすることが多く、時代力量は与党を監督するブレない第3勢力として野党色を強めている。

 日台関係については、2月に発生した台湾南部地震で台南市内のマンション倒壊で大きな被害があり、日本から多くの義援金が贈られた。また、4月に九州熊本地震があり、今度は台湾からお返しに多くの義援金が贈られた。蔡総統は新しい駐日代表(大使)に京都大学に留学経験のある謝長廷・元行政院長(首相)を任命する異例の人事で、対日関係の重要性を示した。8月には蘇嘉全・立法院長(国会議長)を会長とする対日交流議連の訪問団が訪日し、日本の国会議員と交流した。また、日本側も台湾との関係を重視し、12月に駐台湾日本大使館にあたる公益財団法人「交流協会」を「日本台湾交流協会」に改名することを発表し、「台湾」との関係強化の意思を明確に示した。中国はこれに対しても抗議した。

 イギリス(英国)では6月に欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が実施された。その結果、主要メディアの事前の予測に反して離脱支持が52%を獲得し、EU離脱が決定した。EU域内の人の移動の自由という枠組みにより東ヨーロッパからの移民が流入し続けたことが英国の労働者の不満となり、英国の主体性を守るためにEU離脱が支持された。EUとの自由貿易体制が大きく後退することになるが、英国はEU各国に対する出入国管理権の回復と、関税自主権を取り戻すことができる。一方、金融に対する影響や産業面でのコスト増の影響が懸念されることから、英国のEU離脱に対するマスコミのネガティブな報道が目立った。この結果を受けて英国のデイヴィッド・キャメロン(David Cameron)首相が辞任し、保守党でEU離脱派のテリーザ・メイ(Theresa May)が首相に就任した。

 この英国の流れは米国大統領選挙にも大きな影響を与えた。予備選では民主党は、オバマ政権で国務長官を務めたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)と民主社会主義を主張する左派のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)が激戦の末、ヒラリー・クリントンが正式候補となった。一方、共和党は、オバマ政権が進めたTPP(環太平洋連携協定)に反対し、不法移民の送還や、関税の強化、日本に在日米軍の駐留費を負担させる、メキシコ国境の壁を整備するなど主張する不動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)が予備選で独走し、公認候補となった。米マスコミは、過激な発言を繰り返すトランプに警戒し、ネガティブな報道を続けたが、トランプはマスコミ界を含む既得権益層を激しく罵り、格差や階層が固定化される社会を打破したい変化を求める労働者庶民の心をつかみ、支持を固めていった。11月の大統領選の結果、トランプは激戦州を僅差で逆転し、得票数ではクリントンが上回ったものの、州ごとの選挙人数で過半数を確保し、米大手マスコミの予測に反して当選を決めた。

 世論調査の予測が外れたことは、意見をあえて表明せず投票で意思を示した「サイレント・マジョリティー」が多くいたことを示すものであった。行き過ぎた新自由主義やグローバル化は、企業が賃金の安さばかり求めて国境を越えて移動した結果、企業利益や株主配当、役員報酬などは上がる一方で、産業空洞化と雇用の不安定化、貧富の格差拡大、中間層の没落という副作用をもたらし、反グローバル化への揺り戻しが起こっていた。トランプの主張は、サンダースを支持した労働者層をも惹きつける、既得権益層への挑戦とアメリカンドリームを失った庶民に変化の期待を抱かせるものとなった。同時に過激なトランプに対する反感も根強く、米国の国論は二分した。

 大統領に当選したトランプは、12月に蔡英文・台湾総統(President of Taiwan)からの祝賀電話を受けたことをツイッターで発表し、これに対して中国が猛反発した。しかしトランプは、米国は台湾に武器を売っているのに、台湾からの祝意の電話を受けてはいけないとは面白いと言い返し、中国が貿易取引に応じないなら「一つの中国」に縛られる必要があるのかとも発言し、「一つの中国」政策の見直しも示唆した。これに対して中国が「一つの中国」は交渉できないと強く反発する一方で、台湾は歓迎する声と対中カードに利用されるだけなら警戒が必要という両面の声がみられた。中国は台湾と国交があるアフリカのサントメプリンシペを金銭的誘惑で台湾と断交させ、台湾が米国の「一つの中国」見直しに賛同しないよう台湾に圧力をかけ、安定を重視する台湾世論に対する分断工作に出た。

 韓国(大韓民国)では、10月に朴槿恵(パク クネ/박근혜)大統領が、友人の民間人の崔順実(チェ スンシル)に国政の重大決定に関与させていたことが発覚し、機密文書漏洩や財団への資金不正拠出、財閥事業への介入、親族の不正入学、スポーツ選手育成や国民体操の利権など次々にスキャンダルが明らかになり、支持率は1ケタ台となり、辞任を求める大規模なデモが連日起こり、韓国国会は12月に朴大統領を弾劾訴追を可決し、朴大統領は職務停止となり、黄教安(ファン ギョアン)国務総理(首相)が当面代行することになった。

 また、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、1月に原爆実権と見られる人工地震があり、北朝鮮当局は水爆実験をしたと発表した。2月にも北朝鮮はミサイル発射実験を行った。さらに6月に中距離弾道ミサイルを発射。9月にも核実験を行うなど、ミサイルと核実験を立て続けに実施し、北東アジアの軍事緊張を高めた。
 
 そのほか世界は、3月にニュージーランドでユニオンジャックの入った国旗変更国民投票が行われたが、43%の賛成にとどまり否決され、現状維持とされた。米国のオバマ大統領が和解したキューバを訪問した。4月に韓国で国会選挙が行われ、与党のセヌリ党が過半数割れして敗北した。5月のフィリピン大統領選挙で、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)が当選した。7月にトルコ軍によるクーデター未遂事件が発生した。9月にIS(イスラム国)の勢力拡大で悩むシリアでアサド政権と反体制派の停戦が発効した。10月にタイ国王ラーマ9世(รัชกาลที่ ๙)が逝去し、12月にワチラーロンコーン(วชิราลงกรณ)皇太子がラーマ10世(รัชกาลที่ ๑๐)としてタイ国王に即位した。12月にドイツ・ベルリンでトラックがクリスマスマーケットに突っ込むテロ事件が発生した。藩基文(パンギムン)国連事務総長が任期満了で退任した。


(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・1984年(昭和59年) 日本円紙幣が刷新、韓国大統領初来日、冷戦の影響残るロス五輪、英国が香港返還合意

1984年
昭和59年

時の旅・1984年(昭和59年) 日本円紙幣が刷新、韓国大統領初来日、冷戦の影響残るロス五輪、英国が香港返還合意

当時の日本の首相 中曽根康弘(自由民主党)

 1984年(昭和59年)は、中曽根康弘(なかそね やすひろ)内閣総理大臣(首相)の強いリーダーシップの下、専売公社や電電公社の民営化法案が成立するなど、改革に進展があった。また、4年に1度のオリンピック年であり、2月にユーゴスラビアでサラエボ・冬季オリンピック(サラエボ五輪)が、7月から8月にかけてアメリカ合衆国(米国)でロサンゼルス・夏季オリンピック(ロス五輪)が開催された。

 日本の政治は、9月に大韓民国(韓国)の全斗煥(전두환/チョン ドゥファン)大統領が韓国現職大統領として初来日を果たし、昭和天皇との宮中晩餐会に出席し、日韓外交関係の大きな進展となった。一方、日本から在日朝鮮人の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への帰還事業がこの年で終了した。

 日本の経済成長は加速し、1月に日経平均株価が初めて1万円の大台を突破した。4月に東京芝浦電気が「東芝」に社名を改名し、世界的ブランド「TOSHIBA」が社名としても定着した。5月には広島を拠点とする東洋工業も「MATZDA」のブランド名に合わせる形で「マツダ」に社名変更した。8月にタバコの日本専売公社を民営化する専売改革関連法が公布され、翌年4月から民営化することが決定した。12月には電電公社民営化法案も成立した。また、好景気が続く日本で、偽造防止などの需要から紙幣のデザインが刷新され、11月からは、福沢諭吉の1万円札、新渡戸稲造の5千円札、夏目漱石の1千円札の発行が始まった。

 社会は、1月に福岡県の三井三池鉱業所有明鉱坑の火災による一酸化炭素中毒で83名が死亡する事故が発生した。米国の銃殺事件に関する三浦和義氏の「ロス疑惑」が大々的に報道された。3月に江崎グリコの江崎勝久社長が誘拐される事件が発生、江崎社長は自力で逃げ出し無事保護されたが犯人は見つからず、その後も「かい人21面相」を名乗る男が身代金を要求したり、グリコや森永などの食品会社を脅迫し、さらには青酸ソーダを商品に入れるなど社会を混乱させた「グリコ・森永事件」が発生し、キツネ目の男が犯人像として浮上し、似顔絵を公開されたが犯人逮捕に至らなかった。

 交通は、国鉄が貨物事業を大幅に縮小し、多くの路線で貨物の取り扱いが廃止され、貨物支線も多くが廃止された。また、都市部の新路線が開業する一方で、国鉄の赤字ローカル線の廃止も相次いだ。3月には鹿児島交通枕崎線の伊集院~枕崎が廃止された。住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線の小室~千葉ニュータウン中央が開業した。国鉄赤谷線(新発田~東赤谷)、魚沼線(来迎寺~西小千谷)、相模線支線(寒川~西寒川)、日中線(喜多方~熱塩)、清水港線(清水~三保)が廃止された。国鉄久慈線と宮古線、盛線が三陸鉄道に移管され、三陸鉄道の北リアス線(宮古~久慈)、南リアス線(釜石~盛)が開業した。4月に東急電鉄田園都市線のつきみ野~中央林間が延伸開業した。5月に西武鉄道山口線の遊園地前~ユネスコ村が路線改造(新交通システム化)のため休止された。10月に国鉄神岡線(猪谷~神岡)が神岡鉄道に移管された。国鉄樽見線(大垣~美濃神海)が樽見鉄道に移管された。国鉄黒石線(川部~黒石)が弘南鉄道に移管された。12月に国鉄高砂線(加古川~高砂)、妻線(佐土原~杉安)、宮原線(恵良~肥後小国)が廃止された。

 音楽は、チェッカーズがブレイクし、「涙のリクエスト」、「哀しくてジェラシー」、「星屑のステージ」「ギザギザハートの子守唄」などが大ヒットした。また、中森明菜の「十戒(1984)」、「北ウイング」、「サザン・ウインド」などが大ヒット。アルフィー(ALFEE)も「星空のディスタンス」「恋人達のペイヴメント」が大ヒットした。そのほか、わらべ「もしも明日が…」、松田聖子「Rock'n Rouge」「時間の国のアリス」、芦屋雁之助「娘よ」、五木ひろし「長良川艶歌」、石川優子とチャゲ「ふたりの愛ランド」、杏里「悲しみがとまらない」、吉川晃司「モニカ」、高橋真梨子「桃色吐息」、小柳ルミ子「お久しぶりね」などがヒットした。

 映画は、洋画は「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」、邦画は薬師丸ひろ子主演の「里見八犬伝」、「メイン・テーマ」などがヒットした。寅さんこと「男はつらいよ」シリーズも安定的にヒットした。

 スポーツは、大相撲は10月に東京・蔵前国技館が閉館し、翌年から両国国技館に移ることになった。野球は近鉄バッファローズの鈴木啓二投手が300勝を達成した。阪急ブレーブスがパリーグで優勝し、日本シリーズではセリーグの広島カープが阪急を破って日本一となった。

 世界の動きは、イギリスのマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)首相が中華人民共和国(中国)の趙紫陽(ツァオ・ツーヤン)国務院総理と香港(ホンコン)返還合意文書に調印し、1997年に香港が中国に“返還”されることが決まった。

 夏に米国のロサンゼルスで開催されたロス五輪では、ソビエト連邦、東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ベトナム、モンゴル、北朝鮮、キューバなど共産主義の東側諸国がボイコットして不参加となり、東西冷戦の影響がスポーツ界でも続いた。一方、ソ連と対立していた中華人民共和国は参加し、中華人民共和国と対立する台湾(中華民国)も「Chinese Taipei」の名義で参加が認められ、中台が別々のチームで参加を果たした。

 このほか世界の動きは、1月にブルネイがイギリスから独立した。2月にユーゴスラビアでサラエボ五輪が開催された。サラエボ五輪から台湾(中華民国)が「Chinese Taipei」名義でオリンピックに復帰した。ソビエト連邦のユーリ・アンドロポフ(Юрий Андропов)ソ連共産党書記長が死去した。6月にイギリス・ロンドンで第10回サミットが開催された。欧州共同体(EC)加盟10ヶ国で欧州議会議員選挙が実施された。8月にアフリカのオートボルタがブルキナファソに改名した。フィリピンでフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領に対する大規模な抗議デモが発生した。10月にインドのパンジャブ州のシク教分離主義運動に軍を動員して攻撃したインディラ・ガンディー(इंदिरा प्रियदर्शिनी गाँधी)首相が暗殺された。11月に米国大統領選挙で共和党のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)が再選された。12月にインド中部のマディヤ・プラデーシュ州のボーパールの殺虫剤化学工場で爆発事故が発生し約2万人が死亡する大惨事となった。

(参考:Wikipediaほか)


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時の旅・2015年(平成27年) 北陸新幹線が開業、第二次大戦70周年、ISテロ多発、初の中台首脳会談

2015年
平成27年

時の旅・2015年(平成27年) 北陸新幹線が開業、第二次大戦70周年、ISテロ多発、初の中台首脳会談

当時の日本国首相 安倍晋三(自由民主党)

 平成27年(2015年)は、安倍晋三(あべ しんぞう)内閣総理大臣(首相)の下、日本は安定政権が続いた。最大野党の民主党の党勢が低迷する中、第三極の主導権争いが激しくなり、小政党の離合集散が相次いだ。安倍首相は、その勢いで自衛隊の役割を拡大し、集団的自衛権も容認してアメリカ軍との協力を促進するための安保関連法案を5月に提出。共産党、社民党、民主党などの野党が戦争に巻き込まれやすくなる「戦争法」だとして強く反発し、賛否双方から激しい議論を呼ぶ中、7月に自民党、公明党、次世代の党などが賛成して衆議院を通過。9月に参議院でも可決し、成立した。

 「みんなの党」が昨年解散したことから1月に松田公太らにより新党「日本を元気にする会」が結成され、次世代の党を離党したアントニオ猪木も入党した。2月に沖縄県与那国町で陸上自衛隊沿岸監視部隊の受け入れに対する住民投票が実施され、賛成が多数となった。5月に大阪市で大阪都構想の賛否を問う住民投票が実施され、僅差で反対が上回ったことから、大阪都構想を推進してきた橋下徹・大阪市長が任期満了時に政界引退を表明した。「太陽の党」が解散し、「次世代の党」に吸収された。6月に公職選挙法改正案が国会で可決され、次回の参議院選挙から投票権が18歳まで引き下げられた。8月に「維新の党」の橋下徹・最高顧問が、松野頼久代表と対立して離党し、11月に「おおさか維新の会」を結成し、「維新の党」が分裂した。12月に実施された大阪府知事・大阪市長選挙では、共に「大阪維新の会」候補が当選(松井一郎知事は再選)し、大阪での橋下派の「大阪維新の会」の支持の根強さが改めて示された。また、9月に「次世代の党」では平沼赳夫党首が離党し、翌月自民党に復党し、「次世代の党」の中山恭子代表は12月に党名を「日本のこころを大切にする党」に変更した。

 交通については、3月に北陸新幹線の長野~金沢が開業し、「かがやき」「はくたか」などがデビューし、東京~金沢が約2時間30分で結ばれるようになり、北陸への旅が飛躍的に便利になった。一方で、北陸新幹線の開業にともない並行在来線がJRから切り離され、JR西日本・北陸本線の金沢~倶利伽羅が「IRいしかわ鉄道」、倶利伽羅~富山~市振が「あいの風とやま鉄道」、市振~直江津が「えちごトキめき鉄道」日本海ひすいライン、JR東日本・信越本線の直江津~妙高高原が「えちごトキめき鉄道」妙高はねうまライン、妙高高原~長野が「しなの鉄道」北しなの線となった。また、越後湯沢~金沢を結ぶ特急「はくたか」が走る幹線だった「北越急行」六日町~犀潟は、特急の運行が廃止され、ローカル線化したが当面は特急で儲けた利益を運用して赤字化しないようにする。

 また、青函トンネルでは北海道新幹線の工事にともない、本州と北海道を結んでいた寝台特急「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」の定期運行が終了した。東海道新幹線では最高時速が270キロから285キロに引き上げられ、日本の新幹線が優秀な交通機関であるという認識が広がった。

 そのほか、鉄道は、1月にJR武豊線の大府~武豊が電化された。4月に近鉄内部線・八王子線が「四日市あすなろう鉄道」に移管された。北近畿タンゴ鉄道の経営が変わり京都丹後鉄道となった。5月に東北本線から仙石線に直通する「仙石東北ライン」が運行開始した。12月に仙台市営地下鉄東西線の八木山動物公園~荒井が開業した。札幌市電の西4丁目~すすきのが開業し、環状運転を開始した。

 スポーツは、野球はセリーグのペナントレースで東京ヤクルトスワローズと福岡ソフトバンクホークスが優勝し、日本シリーズではパリーグのソフトバンクが2年連続で日本一となった。広島カープの前田健太投手が2015年で退団し、大リーグのロサンゼルス・ドジャーズで挑戦することになった。大相撲は横綱・白鵬のほか、照ノ富士、鶴竜、日馬富士とモンゴル人力士が続けて優勝した。

 音楽は、アイドルグループ全盛期が続き、年間シングル1位~4位をAKB48(「僕たちは戦わない」「ハロウィン・ナイト」「Green Flash」「唇にBe My Baby」)が占め、5位がSKE48「コケティッシュが渋滞中」、6位~8位が乃木坂46で占められた。サザンオールスターズが9年半ぶりのオリジナルアルバム「葡萄」を発売。

 世界の動きは、シリアとイラクにまたがる過激派勢力で2014年に建国宣言した「イスラム国」(IS)の勢力が拡大し、外国人戦闘員を拡充し、各地でテロが多発した。現地で取材活動していた日本人も2人拘束され、ISが映像を公開、2人とも首を斬られ殺害された。ISに対してはアメリカ合衆国(米国)が中心となり空爆を実施したが、ISが建国されたのがそもそも多くの民間人を巻き込んだ米国の対イラク戦争の結果であるという側面もあり、そのほかシリアのアサド政権、イラクで自治を求めるクルド人などとの生存をかけた勢力争いが複雑にからんでいる。あまりにも残虐なISの支配や空爆や戦闘から逃れるために大量の難民が国境を接するトルコに流れ、難民はトルコからヨーロッパを目指した。11月にはフランスのパリでISによる同時多発テロが発生し、100人以上が死亡した。難民受け入れとテロ事件発生により、ヨーロッパの民意は国境を越えた開放主義よりも自国の保護主義への流れが強まるようになった。

 アメリカ合衆国(米国)は、4月にパナマでバラク・オバマ(Barack Obama)米国大統領とラウル・カストロ(Raúl Castro)キューバ国家評議会議長と会談し、キューバ革命で共産主義化したキューバと1961年に国交断絶以来、初の両国首脳会談が実現した。これにより7月に米国とキューバの国交が回復し、大使館が相互開設された。また、アジア太平洋の関税原則撤廃と通商規制の大幅緩和を目指す高度な通商協定であるTPP(環太平洋連携協定)交渉が進められ、10月に米国アトランタで開催されたTPP閣僚会議で大筋合意した。

 アジアでは、第二次世界大戦終戦70周年を迎え、台湾(中華民国)と中国(中華人民共和国)の関係にも動きがあった。台湾では、7月より中華民国抗日戦争勝利70周年の関連行事を開催。当時の中国大陸で抗日戦争に参加し、戦後中国国民党とともに台湾に渡って来た元国民党軍兵士らをねぎらうとともに、馬英九(マー インチョウ)総統が戦時中の米軍の蒋介石政権への支援に感謝し、当時の日本軍の侵略を批判した。台湾の馬総統は11月にシンガポールで中国の習近平(习近平/シー チンピン)国家主席と会談し、1949年の中華人民共和国建国後初の中台両国の首脳会談が実現したが、馬総統は中台交流の基礎とする「92年合意」についてもともと台湾側が強調していた「一中各表」(一つの中国の解釈をそれぞれ表明する)の「各表」や現存する「中華民国」を習主席を前にした公開発言で述べず、「一つの中国」のみが強調されたため、台湾で批判され、与党の支持率回復にはつながらなかった。中国側は台湾に「同属一中」(同じ一つの中国に属する)を表明するよう再三圧力をかけていた。

 台湾では4年に1度の総統選挙モードに入り、野党の民主進歩党(民進党)は女性の蔡英文主席を候補とすることでまとまったが、与党の中国国民党が予備選での対立を嫌い、5月の予備選では女性の洪秀柱・立法院副院長(副議長)しか出馬せず、そのまま無投票で決定した。蔡氏が台湾(中華民国)が民主国家として中華人民共和国統治下にない現状維持の方針を打ち出したのに対し、洪氏は「一中各表」から「一中同表」へとより傾中色を強めたが、洪氏の支持率は伸び悩んだ。この隙をついて第3党の親民党が宋楚瑜主席を擁立し、国民党の不満票を吸収しようとした。国民党は10月に急遽、朱立倫・新北市長に候補を替えたが、そのやり方が非民主的と見られ、支持率が上がらず世論調査では民進党の蔡英文候補が独走した。また、立法委員(国会議員)選挙に向けて、2014年の「ひまわり学生運動」のリーダーや支援者を中心に新政党「時代力量」が結成された。台湾はこのほか、1月に台北松山空港から金門に向かっていた復興航空(トランスアジア航空)機が台北市の基隆河に墜落した。6月に新北市の八仙楽園のイベントで粉塵爆発事故があり、多くの若者が火傷を負った。

 そのほか世界は、1月にリトアニアが通貨ユーロを導入した。3月にシンガポールを建国したリー・クアンユー(李光耀)元首相が死去した。4月にネパールとカトマンズ近くでM7.8の大地震が発生した。8月に中国の天津で倉庫の大規模な爆発事故が発生した。9月にチリでM8.3の大地震が発生した。サウジアラビアのメッカで群衆の圧死事故が発生した。10月に少子高齢化が進む中国が「ひとりっ子政策」を正式に廃止した。11月にスペインのカタルーニャ議会が独立推進を可決した。韓国の金泳三(김영삼/キム ヨンサム)元大統領が死去した。香港の議会選挙で雨傘運動を主導した民主派の候補らが当選した。

(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・2014年(平成26年) 消費税が8%に増税、自民党が衆院圧勝、ソチ五輪とクリミア併合、台湾ひまわり学運と香港雨傘革命

2014年
平成26年

時の旅・2014年(平成26年) 消費税が8%に増税、自民党が衆院圧勝、ソチ五輪とクリミア併合、台湾ひまわり学運と香港雨傘革命

当時の日本国首相 安倍晋三(自由民主党)

 平成26年(2014年)は、安倍晋三(あべ しんぞう)内閣総理大臣(首相)の下、「アベノミクス」の円安効果で、株価が上昇し、経済も上向きになったことで、4月に安倍政権は消費税増税(5%→8%)に踏み切った。

 2月に「大阪都構想」を前進させたい橋下徹・大阪市長が辞任して出直し選挙を3月に行い再選され、橋下市長の根強い支持を示した。8月には「日本維新の会」の解党で石原グループが「次世代の党」を結成。橋下グループが翌月に「結いの党」と合併し、「維新の党」が結成された。

 9月には第2次安倍改造内閣が発足。11月には沖縄県で辺野古米軍基地建設反対を掲げる翁長雄志氏が沖縄県知事に当選した。安倍首相が消費税再増税(8%→10%)の先送りを表明し、衆議院を解散。選挙に向けて「みんなの党」が解党。12月に実施された第47回衆議院議員総選挙の結果、定数475議席のうち、自由民主党291、公明党35で連立与党が過半数を制した。野党の当選議席は民主党73、維新の党41、日本共産党21、次世代の党2、生活の党2、社会民主党2、無所属8となった。アベノミクスに対する期待感の持続および民主党に対する信頼感が回復しなかったことから与党が圧勝し、民主党の海江田万里代表(党首)は落選した。海江田氏落選により、民主党は岡田克也氏が代表を引き継いだ。また、第三極ブームが去り、維新の党は現状維持したものの、日本維新の会から分かれて保守色を鮮明にした次世代の党は自民党と支持層が重なりすぎたためか議席を多く減らした。また、共産党は民主党が明確な対立軸を打ち出せなかった中で脱原発と新自由主義的なアベノミクスを批判し、TPP(環太平洋連携協定)にも明確に反対を打ち出し、善戦して議席を増やした。選挙結果を受けて、安倍首相が引き続き政権を担当し、第3次安倍内閣が発足した。

 このほか、社会は、2月に佐村河内守が作曲したとされる楽曲が実は新垣隆氏がゴーストライターで作曲していたことが発覚した。3月に、大阪で日本一の高さのビル(300m)の「あべのハルカス」が竣工した。31年にわたり放送されたタモリ司会のフジテレビ系「笑っていいとも」が終了した。5月にASKA(飛鳥涼)が覚せい剤所持で逮捕された。7月にネイチャーが「STAP細胞」に関する論文を撤回した。9月に御嶽山が噴火した。朝日新聞が福島原発に関する「撤退」をめぐる誤報記事の撤回と、慰安婦強制連行の根拠と主張していた吉田証言の記事取り消しを表明し、謝罪した。

 交通については、鉄道は、2月の大雪で東急電鉄東横線・元住吉駅で電車追突事故が発生した。3月に寝台特急「あけぼの」が廃止され、東北地方を結ぶ定期寝台特急がすべて廃止となった。JR烏山線で日本初の蓄電池電車が運行開始した。4月に東日本大震災で被災していた三陸鉄道南リアス線の不通区間の釜石~吉浜が運行再開し、北リアス線の田野畑~小本が運行再開したことにより、三陸鉄道が全線再開となった。5月にJR江差線の木古内~江差が廃止された。12月にJR東海のリニア中央新幹線の品川~名古屋が着工した。航空は、3月に国内線のジャンボジェットが引退した。

 スポーツは、2月にロシア連邦・ソチでソチ冬季オリンピックが開催され、羽生結弦がフィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得。日本は金1、銀4、銅3のメダルだった。野球はセリーグのペナントレースで読売ジャイアンツ(巨人)が優勝したにもかかわらず、クライマックスシリーズで阪神タイガースに逆転され、阪神と福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズを争ったが、パリーグのソフトバンクが日本一となった。大相撲はモンゴル出身の鶴竜が3月場所で初優勝したほかは、横綱・白鵬が優勝し、圧倒的な強さを見せつけた。

 音楽は、アイドルグループ全盛期となり、年間シングル1位~5位をAKB48(「ラブラドール・レトリバー」「希望的リフレイン」「前しか向かねえ」など)が占め、6位と7位が嵐、そして乃木坂46、SKE48、NMB48などが上位を占めた。映画は「アナと雪の女王」「永遠の0」などがヒットした。

 世界の動きは、ウクライナで2月に反体制派(EU支持派)市民と警察が衝突し、デモ隊が首都キエフに集結し、ヤヌコーヴィチ(Янукович)政権が崩壊した。その混乱に乗じて、ロシア系住民の比率が高いウクライナ・クリミア半島にロシアの武装勢力が議会と地方政府庁舎を占拠し、親ロ派の首相を任命、ロシア軍の駐留を承認し、クリミア自治共和国議会がクリミア独立宣言を採択し、住民投票でロシア編入を可決し、ウクライナが反対する中でクリミアがロシアに編入された。ロシアのこのような武力による強硬手段は国際社会から非難されたが、現実にはロシアの行動を止めることはできなかった。さらに、4月にはウクライナ東部でロシアと接するドネツク州とルガンスク州がそれぞれ独立宣言し、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国が連邦を組み、「ノヴォロシア人民共和国連邦」を建国し、ウクライナから離脱し、敵対しており、これもロシアが陰で支援していると言われている。

 台湾(中華民国)では、3月に中国(中華人民共和国)とのサービス業規制撤廃を進める両岸サービス貿易協定に反対する大学生らが立法院(国会)の強行採決に抗議して立法院に突入、占拠した。学生らはインターネット中継を駆使して海外に自らの主張を発信し、「ひまわり学生運動」(太陽花學運)と呼ばれるようになり、台湾の民意は大きな転機を迎えた。経済的にも中国に吞み込まれたくない台湾の若者の声が世界中に発信され、台湾国内でも若者らを支持する動きが強まり、王金平・立法院長(国会議員)は学生らを排除せず、約3週間にわたり学生らが立法院に居座り抗議を続けた。王院長は学生側の要求に応じて「両岸協定監督条例」が法制化されるまでサービス貿易協定の国会承認審議を行わないと約束して学生らと合意し、平和的に立法院から退去した。これによって中台両岸の経済自由化の動きは停滞するが、これ以上の開放を望まない適度な開放でよしとする台湾国民の支持を得て、野党の民主進歩党(民進党)が12月の地方選挙で6都のうち4都を獲得。首都台北市も民進党が支持する無所属候補が勝利し、与党の中国国民党は新北市しか守れず大敗を喫し、馬英九(マー インチョウ)政権にとり大きなダメージとなった。台湾はこのほか、8月に高雄市で大規模なガス爆発事故が発生した。

 中華人民共和国統治下の香港では次回2017年の行政長官(特首)選挙の普通選挙実施による高度な自治を求めて、9月に学生授業ボイコットやデモが発生し、中環(セントラル)などで行われた大規模な座り込み活動に対し、警察が催涙スプレーなどで攻撃して排除しようとしたことから対立が激化し、抗議活動が拡大した習近平(习近平/シー チンピン)中国国家主席や梁振英(リョン ツァンイン)行政長官は譲歩を見せず鎮圧に動き、学生や市民らは12月に強制排除されるまで抗議活動を続け「雨傘革命」と呼ばれた。この運動は、中国側から譲歩を引き出すことはできず、香港民主派にとり大きな挫折となったが、この中国に対する失望が、後の香港独立派の台頭へとつながっていくことになる。

 そのほか世界は、1月にラトビアで通貨ユーロが導入された。3月に北朝鮮が日本海にロケット砲や中距離弾道ミサイル「ノドン」を発射した。4月にチリでM8.2の地震が発生した。韓国で修学旅行の高校生らを乗せた旅客船「セウォル号」が沈没し、300人近い死者を出す大惨事となった。5月にタイでインラック・シナワトラ(ยิ่งลักษณ์ ชินวัตร)首相が失職し、タイ軍が戒厳令を発令し、クーデターを宣言し、軍人のプラユット・チャンオチャ(ประยุทธ์ จันทร์โอชา)氏が首相に就任した。6月にスペインでフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)国王が退位し、フェリペ6世(Felipe VI)が新国王に即位した。イラク北部からシリアにまたがるイスラム教スンニ派の武装組織ISILが「イスラム国」の樹立を宣言した。7月にイスラエルがガザを攻撃し、8月にハマスと停戦合意した。8月にアメリカ合衆国(米国)は「イスラム国」に対する空爆を開始した。9月に英国スコットランドで独立を問う住民投票が実施され、独立賛成45%、反対55%で否決された。11月には2001年のテロ事件で倒壊した米国ニューヨークのワールドトレードセンタービル跡地に104階建てのワンワールドトレードセンタービルが完成した。12月に米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とキューバのラウル・カストロ(Raúl Castro)国家評議会議長が国交正常化交渉を始めることに合意した。

(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・1985年(昭和60年) 電電公社と専売公社が民営化、つくば万博開催、阪神タイガース日本一、日航機墜落事故、ソ連ゴルバチョフ時代始まる

1985年
昭和60年

時の旅・1985年(昭和60年) 電電公社と専売公社が民営化、つくば万博開催、阪神タイガース日本一、日航機墜落事故、ソ連ゴルバチョフ時代始まる

当時の日本の首相 中曽根康弘(自由民主党)

 1985年(昭和60年)は、中曽根康弘(なかそね やすひろ)内閣総理大臣(首相)は、自由民主党と新自由クラブの連立政権ながらも、強いリーダーシップを発揮し、次々と改革を進めていった。

 1月には防衛費GNP比1%突破を容認する考えを表明し、賛否両論あったが、国防力強化の姿勢を打ち出した。2月に引退後も日本の政界に強い影響力を持っていた田中角栄・元首相が脳梗塞で倒れて入院し、一線から退いたことも中曽根首相のリーダーシップが強まる一因となった。4月には日本電信電話公社(電電公社)が日本電信電話株式会社(NTT)、日本専売公社が日本たばこ産業株式会社(JT)にそれぞれ民営化された。5月には女性が社会で働く権利を保障する重要な法律である男女雇用機会均等法が成立した。また、その流れで7月に「女子差別撤廃条約」を批准・発効した。8月には中曽根首相が靖国神社を公式参拝した。終戦40周年の節目ということで、靖国神社をきちんと参拝することを強調する形となったが、中国が靖国神社にいわゆる「戦犯」が祀られていることに強く反発したため、結果的に翌年以降の日本の首相による参拝が政治問題となって難しくなってしまった。9月には米国ニューヨークでのG5プラザ合意をきっかけに円高ドル安へと誘導され、1ドル200円台だったのが1ドル100円台に高騰した。その結果、後に日本の海外投資や海外資産買収などが加速する。10月には国鉄の民営化を決定した。

 社会は、3月に茨城県筑波郡谷田部町(現・茨城県つくば市)の御幸が丘で国際科学技術博覧会(つくば万博85)が開幕し、同年9月まで開催された。つくば万博は「人間・居住・環境と科学技術」をテーマとし、筑波研究学園都市と人類に貢献する日本の高度な科学技術を世界にアピールし、日本が先進国の一員であることを実感させ、未来に希望を抱かせる万博となった。

 交通は、地下鉄やモノレールなどの都市交通が開業・延伸する一方、国鉄赤字ローカル線の廃止と第3セクター鉄道への移管が相次いだ。1月に北九州高速鉄道(モノレール)の小倉(現・平和通)~企救丘が開業した。3月には東北・上越新幹線の大宮~上野が延伸開業、鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線の水戸~北鹿島が開業、横浜市営地下鉄3号線(ブルーライン)の横浜~新横浜が延伸開業した。4月は国鉄相生線の美幌~北見相生、国鉄渚滑線の渚滑~北見滝ノ上、国鉄万字線の志文~万字炭山、国鉄倉吉線の倉吉~山守、国鉄室木線の遠賀川~室木、国鉄香月線の中間~香月、国鉄勝田線の吉塚~筑前勝田、国鉄添田線の香春~添田、国鉄矢部線の羽犬塚~黒木などが廃止され、国鉄北条線の粟生~北条町が北条鉄道に、国鉄三木線の厄神~三木が三木鉄道に移管された。大阪市営地下鉄・中央線の深江橋~長田が延伸開業、西武鉄道山口線の西武遊園地~西武球場前が開業した。5月は加悦鉄道の丹後山田~加悦が廃止された。6月は神戸市営地下鉄の西神・山手線の新神戸~大倉山と名谷~学園都市が延伸開業した。

 7月は国鉄岩内線の小沢~岩内、国鉄興浜北線の浜頓別~北見枝幸、国鉄興浜南線の興部~雄武が廃止され、国鉄大畑線の下北~大畑が下北交通に移管された。9月は国鉄美幸線の美深~仁宇布が廃止された。国鉄埼京線の大宮~赤羽が開業した。10月は国鉄矢島線の羽後本荘~羽後矢島が由利高原鉄道・鳥海山ろく線に移管された。西日本鉄道の北九州市内線である枝光線の中央町~幸町、北九州本線の門司~砂津、戸畑線の大門~戸畑がそれぞれ廃止された。11月は国鉄明知線の恵那~明知が明知鉄道に移管された。

 このほか交通は、3月に本州と北海道を結ぶ青函トンネルの本坑が貫通した。四国に初めての高速道路である松山自動車道の三島川之江IC~土居ICが開通した。6月に淡路島と四国を結ぶ大鳴門橋が開通した。10月には東海道山陽新幹線に新型の100系がデビューした。

 航空は、8月に東京羽田から大阪伊丹に向かっていた日本航空機が群馬県上野村の高天原山の御巣鷹の尾根に墜落した。ボーイング社のジャンボジェットで520名が死亡する大惨事となった。また、奇跡的に4名が生還した。

 音楽は、チェッカーズ「ジュリアに傷心」「あの娘とスキャンダル」「俺たちのロカビリーナイト」「神様ヘルプ!」、中森明菜「ミ・アモーレ」「飾りじゃないのよ涙は」、小林明子「恋におちて-Fall in love-」、C-C-B「Romanticが止まらない」、安全地帯「悲しみにさよなら」「恋の予感」「熱視線」「碧い瞳のエリス」、松田聖子「天使のウィンク」、菊池桃子「卒業-GRADUATION-」、薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」、中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」、小泉今日子「The Stardust Memory」、杉山清貴&オメガトライブ:「ふたりの夏物語 -NEVER ENDING SUMMER-」、サザンオールスターズ「Bye Bye My Love」「メロディ(Melody)」、吉幾三「俺ら東京さ行くだ」、吉川晃司「You Gotta Chance ~ダンスで夏を抱きしめて~」、ALFEE「シンデレラは眠れない」「霧のソフィア」、五木ひろし「そして…めぐり逢い」、都はるみ「夫婦坂」、斉藤由貴「卒業」、おニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」、岩崎良美「タッチ」、アン・ルイス「六本木心中」、芦屋雁之助「娘よ」などがヒットした。

 映画は、「ゴーストバスターズ」、「グレムリン」、「ビルマの竪琴」、「ランボー/怒りの脱出」、「ネバーエンディングストーリー」などがヒットした。テレビは、ザ・ドリフターズが出演するTBS系のバラエティ番組「8時だョ!全員集合」が終了した。10月にテレビ朝日系で久米宏キャスターの「ニュースステーション」の放送が始まった。

 スポーツは、大相撲は1月に新しい両国国技館が竣工。1月場所で北の湖が引退した。千代の富士が1月、5月、9月、11月場所で優勝し、横綱の風格を見せ付けた。また、3月では朝潮が初優勝した。

 野球は、高校野球甲子園大会でPL学園(大阪)の桑田と清原が大活躍し、同校が優勝した。プロ野球は阪神タイガースが真弓、バース、岡田、掛布といったベストメンバーによってセリーグで21年ぶりに優勝し、西武ライオンズと対戦した日本シリーズでは、4勝2敗で初の悲願の日本一となり、大阪は阪神フィーバーで沸いた。阪神セリーグ優勝の際には、あまりにもの興奮で、道頓堀川に飛び込んだり、ケンタッキーフライドチキンのカーネル像を胴上げして川に投げ込むなどの過剰な悪ノリの事件も起こった。

 このほか世界の動きは、アメリカ合衆国(米国)は、1月にロナルド・レーガン(Ronald Reagan)大統領が2期目に入る。3月にソビエト連邦のコンスタンティン・チェルネンコ(Константин Черненко)ソ連共産党書記長が死去し、後任にミハイル・ゴルバチョフ(Михаил Горбачёв)がソ連共産党書記長に就任した。4月にゴルバチョフ書記長は中距離核兵器の欧州向けの配備の凍結を発表し経済発展を加速させる方針を発表した、一方でソ連カザフスタンで核実験を行った。人種差別が公然と続いていた南アフリカ共和国で異民族間の結婚を禁止する法律を廃止した。5月に第11回先進国首脳会議(ボン・サミット)が開催され、中曽根首相が出席した。6月にはインド航空爆破事件が発生した。8月には中曽根首相の靖国神社参拝した。中華人民共和国は南京大虐殺記念館を開設し、中曽根首相の靖国参拝には反発した。9月には米国ニューヨークでのG5プラザ合意により、ドル安円高へ誘導される。メキシコでM8.1の大地震が発生し、メキシコシティの付近で甚大な被害が出た。11月にコロンビアのネバドデルルイス火山が噴火し、2万人超が死亡した。米国のレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ書記長がスイス・ジュネーブで初会談した。


(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・1986年(昭和61年) 社会党初の女性党首誕生、国鉄改革進む、三原山が噴火、ソ連でチェルノブイリ原発事故

1986年
昭和61年

時の旅・1986年(昭和61年) 社会党初の女性党首誕生、国鉄改革進む、三原山が噴火、ソ連でチェルノブイリ原発事故

当時の日本の首相 中曽根康弘(自由民主党)

 1986年(昭和61年)は、4月に男女雇用機会均等法が施行されるなど、社会の女性進出の象徴的な年だった。中曽根康弘(なかそね やすひろ)内閣総理大臣(首相)は、自由民主党(自民党)と新自由クラブの連立政権であったが、国鉄、電電公社、専売公社の民営化などの改革を進めた中曽根首相の支持率は高く、一票の格差の違憲判決から5月に議員定数の不均衡を修正する法案が通過した後、新定数の周知期間が必要などの理由で野党にすぐに解散はないと思わせて、6月2日の閣議で解散を決定、7月6日に衆参同時選挙実施が決まり、その意外性から「死んだふり解散」と呼ばれた。

 その結果、第38回衆議院議員総選挙は、自由民主党300、日本社会党85、公明党56、日本共産党26、民社党26、新自由クラブ6、社会民主連合4、無所属9で、与党の自民党が単独過半数を獲得して大勝した。第14回参議院議員選挙は、改選当選議席数(非改選を含む合計)は、自由民主党72(143)、日本社会党20(41)、公明党10(24)、日本共産党9(16)、民社党5(12)、サラリーマン新党1(3)、新自由クラブ1(2)、第二院クラブ1(2)、税金党1(2)、社会民主連合0(1)、無所属6(6)で、やはり自民党が圧勝し、中曽根政権は自民党の単独政権に返り咲いた。

 惨敗した社会党は、7月に石橋政嗣委員長が辞任。また、新自由クラブも8月に解散し、ほとんどが自民党に合流した。9月に土井たか子が社会党委員長に就任し、社会党初の女性党首となり、注目を集めた。11月には東京都の伊豆大島・三原山で大規模な噴火が発生したが、中曽根首相のリーダーシップにより全島民が避難できた。11月末に国鉄分割民営化関連8法が成立し、来年度からの国鉄民営化が確定した。 

 交通は、2月に熊本電気鉄道の御代志~菊池が廃止された。3月に国鉄予讃本線の内子短絡ルートが開業。国鉄京葉線・西船橋~千葉港が開業した。4月に国鉄甘木線・基山~甘木が甘木鉄道に移管。国鉄高森線・立野~高森が南阿蘇鉄道に移管。京福電鉄の叡山本線・出町柳~八瀬遊園と鞍馬線・宝ヶ池~鞍馬が叡山電鉄に移管した。6月に北陸鉄道小松線の小松~鵜川遊泉寺が廃止された。7月に国鉄丸森線・槻木~丸森が阿武隈急行に移管した。10月に近鉄東大阪線・長田~生駒が開業し、大阪市営地下鉄中央線・長田~大阪港と相互直通運転を開始。野岩鉄道・新藤原~会津高原が開業した。11月に国鉄福知山線の宝塚~福知山が電化。国鉄胆振線・伊達紋別~倶知安が廃止。国鉄阿仁合線・鷹ノ巣~比立内が秋田内陸縦貫鉄道に移管。国鉄播但線・飾磨港~姫路が廃止。12月に国鉄越美南線・美濃太田~北濃が長良川鉄道に移管された。

 文化については、音楽は、石井明美「CHA-CHA-CHA」、中森明菜「DESIRE-情熱-」、少年隊「仮面舞踏会」、KUWATA BAND「BAN BAN BAN」、渡辺美里「My Revolution」、小林明子「恋におちて-Fall in Love-」、チェッカーズ「OH!! POPSTAR」「Song for U.S.A.」、荻野目陽子「ダンシング・ヒーロー」、新田恵利「冬のオペラグラス」、国生さゆりwithおニャン子クラブ「バレンタイン・キッス」、TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」、うしろゆびさされ組「バナナの涙」、1986 OMEGA TRIBE「君は1000%」、斉藤由貴「悲しみよこんにちは」、小林旭「熱き心に」、小泉今日子「なんてったってアイドル」、チャゲ&飛鳥「モーニングムーン」、THE ALFEE「SWEAT&TEARS」、などがヒットした。THE ALFEEが東京お台場で動員記録日本一(当時)となる10万人規模の野外コンサートを初成功させた。

 映画は、「子猫物語」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ロッキー4」、「グーニーズ」、「コブラ」などがヒットした。

 スポーツは、野球はセリーグが広島東洋カープ、パリーグが西武ライオンズが優勝し、日本シリーズでは最終戦で西武が勝利した。大相撲は千代の富士が6場所中5場所優勝し、強さを見せつけた。サッカーは5月末からFIFAワールドカップ・メキシコ大会が開催された。

 ゲームは、ファミリーコンピューター(ファミコン)ソフトの「ドラゴンクエスト」が5月に発売され、後にドラクエブームが起こり、人気シリーズとなった。

 海外の動きは、ソビエト連邦(ソ連)は、1月にミハイル・ゴルバチョフソ連共産党書記長が三段階核兵器全廃を提案した。4月にゴルバチョフ書記長が「ペレストロイカ」(改革)を提唱。ソ連ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が発生、ソ連のウクライナおよびベラルーシで甚大な放射能汚染の被害が出た。10月にアイスランドで米ソ首脳会談が行われ、ゴルバチョフ書記長と米レーガン大統領が会談したが、軍縮交渉は合意できなかった。12月にソ連カザフでクナーエフ第一書記解任に反発したカザフ民族暴動が発生した。

 アメリカ合衆国(米国)は、1月にスペースシャトルのチャレンジャー号が打ち上げしてしばらくして爆発する事故が発生した。4月にアメリカ合衆国がリビアを爆撃した。

 台湾(中華民国)は、戒厳令下にありながら、初めての野党である民主進歩党(民進党)が結成された。12月に戒厳令下で実施された立法委員(国会議員)追加選挙では、民進党は無党籍(党外)候補を支援し、改選議席100議席のうち、独裁政権与党の中国国民党が79議席、無党籍が12議席当選し、台湾の民主化への流れが加速するきっかけとなった。

 このほか、1月にスペインとポルトガルがECに加盟した。2月にフィリピンでマルコス大統領が国外亡命し、アキノ大統領が就任した。3月にフランス議会選挙で与党の社会党が惨敗し、大統領は社会党のミッテラン大統領、首相は共和国連合のシラク首相という保革共存のコアビタシオンとなった。スイスが国民投票で国連加盟を否決した。
 
(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・2013年(平成25年) アベノミクスで勢いづく自民党圧勝、東北上越新幹線200系引退、韓国初の女性大統領就任

2013年
平成25年

時の旅・2013年(平成25年) アベノミクスで勢いづく自民党圧勝、東北上越新幹線200系引退、韓国初の女性大統領就任

当時の日本国首相 安倍晋三(自由民主党)

 平成25年(2013年)は、3年ぶりに自由民主党(自民党)を中心とする政権が復活し、2度目の登板となる安倍晋三(あべ しんぞう)内閣総理大臣(首相)の下、「アベノミクス」と呼ばれる積極的経済政策が実行された。

 2012年12月の衆議院選挙で自民党が圧勝し、政権与党だった民主党が惨敗。3年ぶりに自民党と公明党の連立政権が復活した。安倍政権は、2%のインフレ目標を掲げ、日銀にも協力を要請。デフレ脱却と景気回復への期待から株価が上昇。円高状態も緩和されて70円台後半から80円台中盤へと円安に動き、日本の経済界もこの動きを歓迎し、経済再生への期待が高まった。

 衆議院選挙後は、敗北した小政党の再編が行われ、1月に「日本未来の党」から分かれた「生活の党」の代表に小沢一郎氏を新たに選出して党の立て直しをはかった。3月に国民新党が解党した。

 安倍政権は「日本経済再生本部」を設置し、その「産業競争力会議」のメンバーにもともと日本維新の会との関係が深かったの竹中平蔵を起用するなど、公約になかった経団連が支持する新自由主義路線への転換をはかり、「聖域なき関税撤廃」を前提とするTPP(環太平洋連携協定)交渉参加反対としていた自民党の公約についても2月の日米会談後にトーンダウンした。そして3月に安倍首相は当初の立場を翻し、TPP交渉参加を表明。参加に向けて関係国と協議を開始することになった。特に米国議会の承認を得るため、自動車分野・保険分野で交渉参加前から大幅譲歩をせざるをえなかった。

 7月に実施された第23回参議院議員選挙は、消費税増税、TPP参加、原発再稼動の是非が重要なテーマのはずであったが、安倍政権は政治的テーマには慎重な姿勢を続け、円安誘導政策で1円100円前後まで誘導し、輸出企業が好転したほか、株高が続き、日本経済復活を演出した。また、短期政権に失望し、安定した長期政権を期待する世論の高まりもあり、安倍政権は高支持率を維持した。選挙結果の新勢力(当選議席)は、自由民主党115(65)、民主党59(17)、公明党20(11)、みんなの党18(8)、日本共産党11(8)、日本維新の会9(8)、社会民主党3(1)、生活の党2(0)、新党改革1(0)、沖縄社会大衆党1(0)、みどりの風0(0)となった。野党票が分散して乱立した小政党に不利な結果となり、4議席あったみどりの風は全議席失った。一方、自民党との対抗軸が明確だった共産党は8議席当選して存在感を発揮した。対抗軸が不明な民主党は惨敗。政権奪取後、維新の政策を吸収した自民党により逆に日本維新の会は埋没して伸び悩んだ。参議院選挙の結果により、「ねじれ政権」は解消され、安倍政権は思い通りの政策を国会通過させることができるようになった。

 10月に安倍首相は消費税を平成26年(2014年)4月に8%に引き上げることを表明した。物価や税金は上がるのに、給料は一部の大企業しか上がらないアベノミクス政策への疑問の声が少しづつ高まっていった。12月に国民の言論の自由や報道の自由を制限するのではないかという疑念がぬぐえないまま「特定秘密保護法」が可決された。その法案への対応をめぐって「みんなの党」が分裂、14名が離党して「結いの党」を結成した。12月26日、安倍首相就任一周年を向かえ、靖国神社を参拝した。また、沖縄県の普天間飛行場を同県辺野古に移設する案を沖縄県知事が承認し、これとセットで靖国参拝について米国の理解が得られることを安倍政権は期待したが、米国は「失望」を表明した。TPP交渉は年内の妥結を目指していたが、米国が日本に対して例外なき関税撤廃を要求し、そのほか他国の間でも数多くの問題が残り、年内妥結を断念した。また、交渉内容が秘密にされ、交渉過程が不明確であることも、不利となる分野の対策を立てることを遅れる一因ともなるので、各国内の反対派の不信感を高めている。

 そのほか安倍政権は、製造業の日雇い派遣の復活や、解雇の金銭解決、正社員と非正規社員の中間にあたる「限定正社員」などの労働者が不利になるリスクもはらむ雇用改革を進め、農業の集団化や、外資を誘致するための医療・外国人労働者を受け入れる特区や、管理職の残業代廃止や解雇自由化を特区内で認めるいわゆる“解雇特区”の推進が労働者を不利に追い込むのではないかとして批判を浴びた。

 地方政治では、東京オリンピック招致を勝ち取った猪瀬直樹・東京都知事が医療法人徳洲会グループからの5000万円借り入れ疑惑で追求され、12月に都知事を辞任した。

 このほか、6月に富士山が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。9月に2020年(平成32年)のオリンピック開催地が東京に決定した。12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録された。

 平成25年(2013年)の流行については、東北の三陸地方を舞台にしたNHK朝の連続小説「あまちゃん」の中で驚いたときに発する方言の「じぇじぇじぇ」や、予備校「東進ハイスクール」の林修先生の「いつやるの、今でしょ!」、東京オリンピック招致演説での滝川クリステル・アナウンサーの「お・も・て・な・し」などが流行語となった。「ゆるキャラ」も日本全国でブームとなり、特に熊本県の「くまモン」や、千葉県船橋市の「ふなっしー」が人気を博した。

 交通については、鉄道は、3月に震災で運休していたJR東日本・大船渡線(気仙沼~盛)が鉄道の路盤を一部利用したバス(BRT)の方式で運行開始した。東北・上越新幹線で運行されていた200系が引退し、0系のスタイルを引き継いだ新幹線車両がついにすべて現役引退した。秋田新幹線に新型E6系東急電鉄東横線の代官山~渋谷が地下化され、東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が開始。西武鉄道池袋線と東武鉄道東上線の電車も副都心線を経由して東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線に直通運転を開始した。東京メトロ副都心線が東急東横線と直通運転を始めたことにともない、東京メトロ日比谷線と東急東横線の相互直通運転が廃止された。小田急電鉄小田原線の代々木上原~梅ヶ丘が地下化され、東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅が地下駅になった。4月にJR貨物の梅田貨物駅が廃止され、吹田貨物駅、百済貨物駅に機能移転した。8月にJR東海のリニア山梨実験線の延長区間が開通した。

 航空は、3月に沖縄県石垣市に新石垣空港(南ぬ島石垣空港)が開港し、旧・石垣空港が廃止された。全日空とエアアジアが合弁していたLCC「エアアジア・ジャパン」が合弁を解消し、10月に運航を終了。全日空が新たにLCC「バニラエア」を設立し、12月に就航した。

 音楽は、AKB48が「さよならクロール」「恋するフォーチュンクッキー」「ハート・エレキ」「So long!」で1位~4位を独占。そのほか姉妹グループのSKE48「チョコの奴隷」「美しい稲妻」、NMB48「僕らのユリイカ」も年間ベスト10に入った。そのほか、EXILE「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」、嵐「Calling」「Endless Game」、乃木坂46「ガールズルール」「バレッタ」、SMAP「Joy!!」、Kis-My-Ft2「My Resistance-タシカナモノ-」、サザンオールスターズ「ピースとハイライト」、関ジャニ∞「へそ曲がり」、T.M.Revolution×水樹奈々「Preserved Roses」などがヒットした。またNHK朝の連続小説「あまちゃん」のヒットで番組内で歌われた天野春子(小泉今日子)「潮騒のメモリー」もヒットした。このほかアルフィー(THE ALFEE)が結成40周年を迎え、高見沢俊彦のソロ活動をアルバム「雷神」を発表して一区切りをつけ、アルフィー40周年記念となるシングル「GLORIOUS」を発表した。

 映画は「アルゴ」、「レ・ミゼラブル」、「かぞくのくに」、「桐島、部活やめるってよ」、「ライフ・オブ・パイ」などがヒットした。

 スポーツは、野球についてはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の第2ラウンドが東京ドームで開催され、日本と台湾が延長戦接戦を演じ末、日本が勝利したが、アメリカで開催の決勝トーナメント準決勝でプエルトリコに敗れて、同大会はドミニカ共和国が初優勝した。第95回高校野球甲子園大会は群馬県の前橋育英高校が優勝した。プロ野球はセリーグが読売ジャイアンツ、パリーグが東北楽天ゴールデンイーグルスが優勝し、日本シリーズでは楽天が日本一となり、台湾開催のアジアシリーズに出場した。大相撲は白鵬が4場所、日馬富士が2場所優勝し、モンゴル人力士の強さを見せつけた。

 世界の動きは、中国(中華人民共和国)は相変わらず言論の弾圧を強め、1月に広東省の大手紙「南方週末」の社説差し替え事件が明るみになり、デモやストライキに発展したが、言論の自由緩和にはつながらず、当局のマスコミ締め付けが一層厳しくなった。4月から鳥インフルエンザH7N9型の感染が広がった。7月に、薄熙来(ポー シーライ)中共中央政治局委員兼重慶市党委員会書記が10月に北京の天安門広場に自動車が歩道に進入し、約250m暴走して観光客らをはねて、毛沢東の肖像画の近くて衝突、炎上する事件が発生した。11月に尖閣諸島(中国名:釣魚島)を含む東シナ海防空識別圏を一方的に設定し、日中の軍事的緊張が高まった。12月に無人月探査機「嫦娥3号」が月面着陸に成功した。

 台湾は馬英九(マー インチョウ)政権への不満が高まり、2月に陳冲・行政院長(首相)が健康を理由に辞任し、江宜樺氏が行政院長に就任した。3月に大規模な反原発デモが各地で実施された。4月に日本と日台漁業協定に調印し、重複する東シナ海の排他的経済水域(EEZ)内の日台の共同漁業操業について合意し、尖閣問題をめぐる漁業権問題について日本側が大幅譲歩する形となり、台湾世論が軟化した。6月に中国と「両岸サービス貿易協定」に調印したが、台湾国内への説明不足で反発が強く、立法院(国会)での審議が進まない状況となった。9月に王金平・立法院長(国会議長)の口利き事件を馬英九総統(大統領)自ら批判したが、特捜部の立法院(国会)に対する違法盗聴が明るみになり、違法捜査こそ問題という政治闘争に陥った。裁判所で仮処分が認められ、王金平・立法院長の身分は維持された。11月に台北地下鉄信義線(中正紀念堂~象山)が開業し、淡水線との直通運転を開始した。

 韓国(大韓民国)は、2012年12月の大統領選挙で当選したセヌリ党の朴槿恵(박근혜/パク・クネ)氏が2月に韓国初の女性大統領に就任した。韓国国内の反日世論に押され、反日姿勢を強め、対日外交が疎遠な状態が続いた。韓国最大財閥の三星(サムソン)の勢いが低迷し、不景気に転落した。

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、2月に2009年以来3度目の核実験を咸鏡北道の吉州(キルジュ)で実施した。12月に北朝鮮ナンバー2の張成沢(장성택/チャン ソンテク)国防副委員長が粛清され、特別軍事裁判で死刑判決となり、即日処刑されたほか、張成沢の親族の処刑や張成沢派の大量粛清が実施された。

 米国(アメリカ合衆国)は、前年11月の大統領選挙で再選されたバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が1月に2期目に就任した。ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官が辞任し、後任にジョン・ケリー(John Kerry)氏が就任した。11月にジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元大統領の長女であるキャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)氏が駐日大使として着任した。

 このほか世界は、1月に北アフリカのアルジェリアのイナメナス天然ガス関連施設が武装勢力に占拠され、多数の外国人が人質として拘束され、日本人も10人が殺害された。2月にバチカンでベネディクト16世教皇が退位、3月にブエノスアイレス大司教のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(フランシスコ)が第266代ローマ教皇に選出された。3月に強烈な反米で知られたベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chávez)大統領が死去した。4月にオランダでベアトリクス(Beatrix)女王が譲位し、ウィレム(Willem)太子が国王に即位した。7月にクロアチアが欧州連合(EU)に加盟した。エジプトで軍によるクーデターが発生し、ムハンマド・ムルシー大統領の権限が剥奪された。ベルギーのアルベール国王がフィリップ皇太子に王位を譲位した。シリアの内戦が悪化し、国連発表で死者が10万人を超えた。10月にインドネシアのバリ島でアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が開催された。トルコのイスタンブールでヨーロッパとアジアをつなぐボスポラス海峡トンネルを走る地下鉄が開通した。11月にタイで反タクシン元首相派がインラック・シナワトラ首相の辞任を求める大規模デモが始まった。

(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・1987年(昭和62年) 国鉄が民営化でJR発足、世界人口50億人突破、韓国で大統領直接選挙、台湾で戒厳令解除

1987年
昭和62年

時の旅・1987年(昭和62年) 国鉄が民営化でJR発足、世界人口50億人突破、韓国で大統領直接選挙、台湾で戒厳令解除

当時の日本の首相 中曽根康弘(自由民主党) → 竹下登(自由民主党)

 1987年(昭和62年)は、中曽根康弘(なかそね やすひろ)内閣総理大臣(首相)が昭和58年(1982年)に就任以来5年を迎え、中曽根政権が進めてきたさまざまな改革の具体的成果が現れてきた。世界は、7月に人口50億人を突破し、韓国では16年ぶりに大統領直接選挙が実施され、台湾では38年間続いていた戒厳令が解除され、アジア民主化の動きが活発になってきた。

 中曽根内閣が進めた日本の最大の改革は、赤字が膨らみ経営効率が悪かった日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化であり、4月に国鉄は旅客鉄道が6つ(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)に分割民営化され、貨物部門はJR貨物となった。新幹線については、東海道新幹線がJR東海、山陽新幹線がJR西日本、東北・上越新幹線がJR東日本となった。その前後して、地方の赤字ローカル線の廃止や第3セクター鉄道への移管が相次いだ。

 長期政権となった中曽根内閣の後継者争いが与党・自由民主党(自民党)内で激しくなり、6月に竹下登・自民党幹事長が総裁選出馬を表明し、竹下派(経世会)が誕生して田中派が分裂した。11月に中曽根首相の裁定で竹下登氏が自民党総裁となり、第74代内閣総理大臣に就任した。竹下首相は就任後、新型間接税(消費税)の導入の意向を固めた。

 交通の動きは、鉄道は1月に国鉄宮之城線の川内~薩摩大口が廃止された。2月に国鉄広尾線の帯広~広尾が廃止された。3月に国鉄大隅線の志布志~国分、国鉄瀬棚線の国縫~瀬棚、国鉄湧網線の中湧別~網走、国鉄佐賀線の佐賀~瀬高、国鉄羽幌線の留萌~幌延が廃止された。国鉄二俣線の掛川~新所原が天竜浜名湖鉄道に移管された。国鉄伊勢線の河原田~津が伊勢鉄道に移管された。神戸市営地下鉄西神線の学園都市~西神中央が延伸開業した。4月に国鉄が民営化されJRが発足。筑波鉄道筑波線の土浦~岩瀬が廃止された。大阪市営地下鉄御堂筋線の我孫子~中百舌鳥が延伸開業した。5月に京阪電鉄本線の七条~三条が地下化された。7月にJR西日本・信楽線の貴生川~信楽が信楽高原鉄道に移管された。7月に仙台市営地下鉄南北線の八乙女~富沢が開業した。JR東日本・会津線が西若松~会津高原が会津鉄道に移管された。JR西日本・岩日線の川西~錦町が錦川鉄道に移管された。8月に営団地下鉄有楽町線の営団成増~和光市が延伸開業し、東武東上線との直通運転を開始した。10月にJR西日本・若桜線の郡家~若桜が若桜鉄道に移管された。

 文化については、音楽は、瀬川瑛子「命くれない」、中森明菜「TANGO NOIR」「難破船」「BLONDE」、吉幾三「雪國」、光GENJI「STAR LIGHT」、松田聖子「Strawberry Time」、尾形大作「無錫旅情」、五木ひろし「追憶」、少年隊「君だけに」「stripe blue」、小泉今日子「木枯しに抱かれて」、長渕剛「ろくなもんじゃねえ」、徳永英明「輝きながら…」、南野陽子「楽園のDoor」、チェッカーズ「I Love you, SAYONARA」、中山美穂「WAKU WAKUさせて」、 BOØWY「MARIONETTE (マリオネット)」、TUBE「SUMMER DREAM」、TM NETWORK「Get Wild」、 本田美奈子「Oneway Generation」、森川由加里「SHOW ME」、石原裕次郎「北の旅人」、THE ALFEE「サファイアの瞳」、近藤真彦「愚か者」、荻野目陽子「六本木純情派」、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」などがヒットした。このほか、マイケルジャクソンが来日し、後楽園球場でコンサートを開いた。

 映画は「トップガン」、「ハチ公物語」、「プラトーン」、「アンタッチャブル」、「ドラえもん のび太と竜の騎士 プロゴルファー猿」などがヒットした。

 スポーツは、大相撲では横綱・千代の富士が3場所優勝したほか、小錦が外国人力士で初の大関に昇進した。野球はセリーグが読売ジャイアンツ、パリーグが西武ライオンズが優勝し、日本シリーズでは西武が4勝2敗で巨人を破って2連覇した。巨人の本拠地である後楽園球場が50年の歴史に幕を閉じ、来季から隣接する東京ドームに移転することになった。

 海外の動きは、ソビエト連邦(ソ連)は、1月にソ連共産党中央委員会総会で複数政党制などの政治改革を決定した。ミハイル・ゴルバチョフ(Михаил Горбачёв)ソ連共産党書記長がチェコスロバキアを訪問し、プラハで「欧州共通の家」構想を発表した。5月に西ドイツから19歳の青年がセスナ機で防空網を突破してモスクワの赤の広場に着陸した事件が発生した。6月に企業に自主運営と競争原理を導入する国家企業法が決定した。ゴルバチョフ書記長が訪米し、アメリカ合衆国(米国)のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)大統領と中距離核戦力全廃条約に調印した。11月にゴルバチョフ書記長がロシア革命70周年記念式典で大粛清を批判した。

 大韓民国(韓国)は、体育相・ソウル五輪組織委員長としてソウル五輪の実務をとりしきっていて、全斗煥(전두환/チョン・ドゥファン)大統領の後継者となっていた盧泰愚(노태우/ノ テウ)氏が6月に「6・29民主化宣言」を発表して大統領選挙を実施が決まった。11月にアラブ首長国連邦アブダビから韓国ソウルへ向かう大韓航空に爆弾を仕掛けて爆発させて乗客・乗員115名が全員死亡したテロ事件である「大韓航空機爆破事件」が発生し、実行犯が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作員の金賢姫(キム・ヒョンヒ)らが逮捕された。同事件の動機は翌年に開催が控えたソウルオリンピックの妨害だったといわれている。12月に韓国大統領選挙が16年ぶりに実施され、民主正義党の盧泰愚氏が当選した。

 台湾(中華民国)では、7月に蒋経国(蔣經國/チャン チンクオ)総統が1949年以来38年間続いていた戒厳令の解除を宣言した。11月に台湾在住の中国大陸出身者の里帰りが許可された。

 このほか、1月に中国・北京の天安門広場で学生数百人のデモが発生した。西ドイツ連邦議会選挙で与党のキリスト教民主・社会同盟と自由民主党が勝利した。6月のイギリスの総選挙でサッチャー首相の与党・保守党が野党・労働党に大きく差をつけて大勝した。7月に世界の人口が50億人を突破した。9月にアフリカのエチオピアで、エチオピア労働者党独裁のエチオピア人民共和国が樹立された。


(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・1988年(昭和63年) 青函トンネルと瀬戸大橋開通、東京ドーム完成、ソ連でペレストロイカ開始、ソウル五輪開催

1988年
昭和63年

時の旅・1988年(昭和63年) 青函トンネルと瀬戸大橋開通、東京ドーム完成、ソ連でペレストロイカ開始、ソウル五輪開催

当時の日本の首相 竹下登(自由民主党)

 1988年(昭和63年)は、日本の2大土木プロジェクトである青函トンネルと瀬戸大橋が開通し、本州、九州、四国、北海道の4つの島が陸続きになった。海外では、共産党政権のソビエト連邦で「ペレストロイカ」(перестройка)と呼ばれる政治改革が始まり、民主化への流れが動き出した。

 日本の政治は、竹下登(たけした のぼる)内閣総理大臣(首相)は、全国の市町村に地方交付税1億円を一律交付する「ふるさと創生事業」を実施した。6月に川崎駅再開発事業をめぐって便宜供与のため川崎市助役へリクルート・コスモス社の株が譲渡された疑惑が報道され、その後、与党・自民党の有力政治家にもリクルート・コスモス株が譲渡されていたことが発覚し、「リクルート疑惑」として大問題になった。12月にはリクルート疑惑の責任をとり宮澤喜一・大蔵大臣が辞任した。そんな最中で、消費税の導入を柱とする税制改革法案が野党が強く反対する中で成立した。

 皇室は、昭和天皇は8月15日の全国戦没者追悼式のご臨席が最後の公務ご出席となり、9月19日に大量吐血され、9月22日より皇太子明仁(あきひと)親王が国事行為臨時代行を務められることになった。昭和天皇のご病状がテレビニュースで毎日報道され、血圧、脈拍の数値や、吐血、下血など状況も伝えられた。

 交通については、鉄道は、1月にJR東海・岡多線の岡崎~新豊田が愛知環状鉄道に転換され、同時に愛知環状鉄道の新豊田~高蔵寺が開業し、岡崎~新豊田~高蔵寺で運行開始した。3月に青函トンネルが開通し、JR北海道・海峡線(津軽海峡線)の木古内~中小国が開業した。東海道新幹線に新富士、掛川、三河安城の3駅が開設された。近鉄の名阪特急「アーバンライナー」がデビューした。JR西日本・能登線の穴水~蛸島が、のと鉄道に転換した。千葉都市モノレールのスポーツセンター~都賀~千城台が開業した。4月にJR四国の窪川~中村が、土佐くろしお鉄道に転換した。JR九州・松浦線の有田~佐世保が松浦鉄道に転換した。北神急行電鉄の新神戸~谷上が新規開業した。瀬戸大橋が開通し、本四備讃線(瀬戸大橋線)の児島~宇多津が開業した。JR東日本・真岡線が真岡鉄道に転換した。JR北海道・歌志内線(砂川~歌志内)が廃止された。5月に京王帝都電鉄・相模原線の京王多摩センター~南大沢が延伸開業した。6月に名鉄岐阜市内線(長良線)の徹明町~長良北町が廃止された。営団地下鉄・有楽町線の新富町~新木場が延伸開業した。京都市営地下鉄の京都~竹田が延伸開業した。10月にJR東日本・長井線が山形鉄道に転換した。12月にJR東日本・京葉線の新木場~南船橋、市川塩浜~西船橋が延伸開業した。札幌地下鉄・東豊線の栄町~豊水すすきのが新規開業した。

 道路は、3月に舞鶴若狭自動車道の吉川JCT~丹南篠山口ICが開通した。4月に瀬戸大橋で本州と四国をつなぐ瀬戸中央自動車道が開通した。7月に北陸自動車道の朝日IC-名立谷浜ICが開通し、全線開通した。

 文化については、音楽は、光GENJI「パラダイス銀河」「ガラスの十代」「Diamondハリケーン」「剣の舞」、男闘呼組「DAYBREAK」、長渕剛「乾杯」「とんぼ」、工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」「抱いてくれたらいいのに」、氷室京介「ANGEL」、中山美穂「人魚姫」「You're My Only Shinin' Star」、久保田利伸「You were mine」、南野陽子「吐息でネット」「はいからさんが通る」、サザンオールスターズ「みんなのうた」、中森明菜「TATTO」「AL-MAUJ (アルマージ)」、浅香唯「C-Girl」、田原俊彦「抱きしめてTONIGHT」、瀬川瑛子「命くれない」、少年隊「ふたり」、小林幸子「雪椿」、森川由加里「SHOW ME」、TM NETWORK「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」、松田聖子「旅立ちはフリージア」などがヒットした。

 映画は、「敦煌」、「ラストエンペラー」、「ランボー3/怒りのアフガン」、「優駿 ORACION」、「危険な情事」、「いこかもどろか」などがヒットした。

 スポーツは、2月にカナダ・カルガリーで冬季オリンピック(カルガリー五輪)が開催。日本はスピードスケート男子500mで銅メダルを獲得した。9月から10月にかけては、韓国ソウルで夏季オリンピック(ソウル五輪)が開催され、日本はレスリングで2個金メダルを獲得したほか、柔道男子95キロで斉藤仁、競泳男子100m背泳ぎで鈴木大地がそれぞれ金メダルを獲得した。ソウル五輪では、カナダのベン・ジョンソンが陸上男子100mで9秒79の世界新記録を出したが、後にドーピング問題で金メダルと記録を剥奪された。

 野球は、東京ドームが日本初のドーム球場としてオープン。読売ジャイアンツと日本ハム・ファイターズの本拠地球場として使用されるようになった。セリーグは星野仙一監督の中日ドラゴンズが優勝。パリーグは近鉄と西武が接戦の末、西武ライオンズが勝ち、日本シリーズでは西武が中日を4勝1敗で破り、日本シリーズ3連覇を果たした。大阪球場を本拠地とする南海ホークスが、ダイエーに買収され、本拠地を福岡に移転することが発表された。西宮球場を本拠地とする阪急ブレーブスも、オリックスに買収されることが発表された。

 大相撲は、一月場所で旭富士、三月場所で大乃国が優勝したほか、五月場所から4場所連続で千代の富士が優勝した。

 海外の動きについては、ソビエト連邦(ソ連)でミハイル・ゴルバチョフ(Михаил Горбачёв)ソ連共産党書記長により「ペレストロイカ」(перестройка)と呼ばれる体制改革がスタートした。「グラスノチ」(гласность)と呼ばれる情報公開を進め、それまでの閉鎖秘密主義からの脱却をはかり、政府への信頼を再構築しようとした。4月にアフガニスタンからの軍撤退に関するジュネーブ合意が発表され、5月から撤退を開始した。6月にソ連共産党協議会が開催され、人民代議員大会と最高会議議長の創設が承認された。10月にゴルバチョフ書記長がソ連最高会議議長を兼務を始めた。バルト海のソ連リトアニアのヴィリニュスのゲディミナス城でリトアニア国旗が掲げられた。ラトビアで人民戦線が結成された。11月にソ連エストニアで主権宣言が発表され、独立への意志が示された。

 アメリカ合衆国(米国)は、11月に大統領選挙が実施され、野党・共和党のジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ(George Herbert Walker Bush)候補が与党・民主党のマイケル・デュカキス(Michael Dukakis)候補を破って当選した。これにより、米国は共和党政権への政権交代が決まった。選挙戦では死刑制度の存続の是非が争点となり、死刑存続を訴えるブッシュ候補が死刑反対のデュカキス候補を批判するネガティブキャンペーンが世論を動かした。

 韓国では、2月に軍人上がりの盧泰愚(노태우/ノ テウ)大統領が就任した。盧大統領は軍人退役後に体育相・ソウル五輪組織委員長としてソウル五輪の実務をとりしきっていて、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の後継者となっていた。盧氏は1987年6月に「6・29民主化宣言」を発表して大統領選挙を実施し、民主派が分裂したこともあり当選した。盧大統領は、ソウル五輪を成功へと導き、韓国の急速な発展を世界にアピールすることに成功した。4月に実施された韓国第13代総選挙で、与党の民主正義党が過半数を割り込んで敗北し、金大中をリーダーとする野党・平和民主党が野党第二党となった。

 台湾(中華民国)は、1987年の戒厳令解除を受け、民主化の動きが進み、1月に新聞の「報禁」が正式に完全解除され、報道の自由と新聞発行の自由が認められた。1月13日に蒋経国(蔣經國/チャン チンクオ)総統が死去し、李登輝(リー ティンフイ)副総統が総統を引き継いだ。4月に野党・民主進歩党は四一七決議文を発表し、台湾の主権独立と、北京を首都とする中華人民共和国に台湾が属さないことを主張した。

 中国(中華人民共和国)では、1月に北京の天安門が国内外の観光客に開放された。3月に上海列車事故が発生し、日本からの修学旅行生に死者が出た。3月下旬~4月中旬にかけて第7期全国人民代表大会第1回会議が開かれ、趙紫陽(赵紫阳/ツァオ・ツーヤン)国務院総理(首相)の辞任が認められ、鄧小平(邓小平/テン・シャオピン)中央軍事委員会主席、陽尚昆(杨尚昆/ヤン サンクン)国家主席、李鵬(李鹏/リー ポン)首相などの人事が決まった。12月に銭其琛外相がソ連を訪問し、中ソ関係の改善を進めた。

 そのほか、海外では、3月にイラン・イラク戦争でイラクのサダム・フセイン政権がクルド人が多く住むハラブジャで化学兵器を使用して一般市民を殺害したハラブジャ事件を起こした。チェコスロバキアのブラチスラバで共産党政権に反対する大規模な民主化デモが発生した。8月にイラン・イラク戦争が停戦となった。ビルマで8888民主化運動が発生し、アウンサンスーチーが民主化運動の象徴的存在となったが、9月に軍事クーデターが起こって、民主化運動は武力鎮圧された。12月にパキスタンでベーナズィール・ブットー首相が就任し、イスラム国家で初の女性首相となった。

(参考:Wikipediaほか)

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時の旅・1989年(昭和64年、平成元年) さようなら昭和、こんにちは平成、消費税施行、中国北京で天安門事件、ベルリンの壁崩壊、米ソ冷戦が終結

1989年
昭和64年、平成元年

時の旅・1989年(昭和64年、平成元年) さようなら昭和、こんにちは平成、消費税施行、中国北京で天安門事件、ベルリンの壁崩壊、米ソ冷戦が終結

当時の日本の首相 竹下登(自由民主党) → 宇野宗佑(自由民主党) → 海部俊樹(自由民主党)

 1989年(昭和64年、平成元年)は、昭和天皇の崩御で昭和時代が終わり、平成時代が始まった。東西ベルリンを隔てていたベルリンの壁が崩壊し、その流れに押される形でアメリカとソビエト連邦の冷戦が終結するなど、日本国内と海外いずれもめまぐるしく変化した一年だった。

 1月7日、昭和天皇が87歳で崩御され、64年にわたる昭和時代が終わった。同日午後に当時の小渕恵三・官房長官が新元号が「『平成』であります」と発表した。そして、平成元年がスタートした。昭和64年は7日間のみとなり、「昭和64年」と刻まれたコインが珍しくて価値のあるものとなった。2月に昭和天皇の「大喪の礼」が東京都内で執り行われ、昭和天皇は武蔵野陵に葬られた。

 皇室は、9月に今上天皇の第二皇子である礼宮文仁(あやのみや ふみひと)さま(現・秋篠宮文仁さま)が川嶋紀子(かわしま きこ)さんとのご婚約を発表され、平成時代スタートにおける明るい話題となった。

 竹下登(たけした のぼる)内閣総理大臣(首相)は、国民の反対が大きかった間接税の「消費税」を導入し、4月に税率3%で施行された。レジで3%加算されて買い物の計算がややこしくなったほか、これにより便乗値上げもあり、当時ほとんど100円だった缶ジュースも多くが110円に値上げして、ワンコインではなくなり不便になった。国の財政のために必要な措置であったともいえるが、国民の評判は極めて悪く、竹下内閣の支持率は急落した。

 竹下内閣は6月に退陣し、当時世間を騒がせた不祥事「リクルート事件」に与党・自由民主党(自民党)の有力議員も関わっていたことから、「リクルート事件」に関連しない宇野宗佑(うの そうすけ)外務大臣が急遽首相候補として浮上し、首相に選出された。クリーンな内閣をアピールしたいところだったが、「女性スキャンダル」が浮上し、竹下内閣時代からの置き土産である消費税、リクルート問題、米国産牛肉・オレンジ輸入自由化問題は与党への逆風となり、7月の第15回参議院議員選挙は土井たか子党首らの「マドンナ旋風」で最大野党の日本社会党が自民党の改選議席を上回り、自民党は参議院で過半数割れし、大敗した。選挙結果当選議席数(非改選を含む合計議席)は、自由民主党36(109)、日本社会党45(67)、公明党11(22)、連合の会11(11)、日本共産党5(14)、民社党3(8)、税金党2(3)、第二院クラブ1(2)、スポーツ平和党1(1)、沖縄社会大衆党1(1)、サラリーマン新党0(1)、無所属10(13)だった。

 選挙の大敗により、宇野内閣は発足からわずか2ヶ月余りで退陣することになった。リクルート問題で自民党の大物議員が謹慎していたことから、河本派の海部俊樹(かいふ としき)元文部大臣が竹下派の支持を得て自民党総裁に選ばれた。首相指名選挙では、衆議院で自民党の海部俊樹が選出された一方で、「ねじれ国会」の参議院では社会党の土井たか子が選ばれた。結局、衆議院の優越により海部首相が誕生した。海部内閣は、リクルート事件と関わりがあるとされた議員を登用しないなど、クリーンな姿勢を貫き、自民党のイメージと信頼回復に努めた。また、当時の日本は好景気の流れに乗り、土地や株価は値上がりを続けた。12月29日の日経平均株価は3万8915円の最高記録を樹立したが、これはバブルの絶頂であった。

 地方は、2月に大阪市で区が再編され、旧・北区と大淀区が合併して新しい「北区」に、東区と南区が合併して「中央区」となった。3月に福岡県福岡市の「シーサイドももち」で「アジア太平洋博覧会」(よかトピア)が9月まで開催された。神奈川県横浜市の「みなとみらい21」地区で「横浜博覧会」(YES'89)が10月まで開催された。7月に愛知県名古屋市で「世界デザイン博覧会」が開幕し、11月まで開催された。10月に千葉県千葉市に日本コンベンションセンター(幕張メッセ)がオープンした。

 交通については、鉄道は、1月に営団地下鉄半蔵門線の半蔵門~三越前が延伸開業した。3月にJR西日本・片町線の長尾~木津が電化、東京都営地下鉄新宿線の篠崎~本八幡が延伸、樽見鉄道の神海~樽見が延伸開業した。JR東日本の足尾線が「わたらせ渓谷鉄道」に移管した。4月に秋田内陸縦貫鉄道の比立内~松葉が延伸開業し、秋田内陸北線と南線がつながった。JR九州高千穂線が高千穂鉄道に移管した。5月にJR北海道の天北線(音威子府~浜頓別~南稚内)と名寄本線(名寄~遠軽)が廃止された。6月にJR北海道池北線が「ちほく高原鉄道」に移管された。7月に横浜新都市交通金沢シーサイドライン(新杉田~金沢八景)が開業した。7月に名古屋市に金山駅が総合駅化。9月に名古屋市営地下鉄桜通線(中村区役所~今池)が開業。10月にJR九州の井田線・糸田線・田川線が「平成筑豊鉄道」に移管。JR九州湯前線が「くま川鉄道」に移管。京阪電鉄鴨東線(三条~出町柳)が開業。そのほか、2階建て4両の東海道山陽新幹線100系「グランドひかり」、大阪~札幌の豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」が運行開始した。そのほか道路交通は、9月に神奈川県横浜市に「横浜ベイブリッジ」が開通した。

 文化については、プリンセス・プリンセス「Diamonds(ダイアモンド)」「世界でいちばん熱い夏」、長渕剛「とんぼ」「激愛」、光GENJI「太陽がいっぱい」「地球をさがして」、Wink「愛が止まらない~Turn It Into Love~」「淋しい熱帯魚~Heart On Wave~」、工藤静香「恋一夜」「嵐の素顔」「黄砂に吹かれて」、男闘呼組「秋」「TIME ZONE」、松任谷由実「ANNIVERSARY~無限にCALLING YOU」、爆風スランプ「リゾ・ラバ-Resort Lovers-」、氷室京介「SUMMER GAME」、竹内まりや「シングル・アゲイン」、田原俊彦「ごめんよ涙」、TM NETWORK「DIVE INTO YOUR BODY」、吉幾三「酒よ」、THE BLUE HEARTS「TRAIN TRAIN」、中村あゆみ「ともだち」、サザンオールスターズ「さよならベイビー」、美空ひばり「川の流れのように」、チェッカーズ「Room」、少年隊「まいったネ今夜」、森高千里「17才」、渡辺美里「ムーンライト ダンス」、米米CLUB「FUNK FUJIYAMA」、坂本冬美「男の情話」、などがヒットした。、石川さゆり「風の恋盆歌」、和田アキ子「だってしょうがないじゃない」、B'z「BAD COMMUNICATION」、THE ALFEE「恋人の歌が聞こえる」などがヒット。CHAGE&ASUKAがデビュー10周年でアルバム「PRIDE」を発表。「X」がデビューした。また、斉藤由貴が井上陽水の「夢の中へ」、小泉今日子がフィンガー5の「学園天国」をカバーしてヒットした。

 映画は、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」、「レインマン」、「魔女の宅急便」、「ドラえもん のび太の日本誕生」などがヒットした。テレビは、TBS系の人気音楽番組「ザ・ベストテン」が9月に終了した。ゲームは、任天堂が「ゲームボーイ」を新発売した。

 スポーツは、大相撲で千代の富士が6場所中3場所で優勝。最多勝は北勝海。11月場所はハワイ出身の小錦が初優勝した。野球はセリーグが読売ジャイアンツ、パリーグが近鉄バッファローズが優勝し、日本シリーズでは巨人が4勝3敗で近鉄に逆転し、日本一となった。

 世界の動きは、ソビエト連邦(ソ連)は、2月にアフガニスタンから撤兵が完了した。8月にバルト海のエストニア、ラトビア、リトアニアで200万人が参加して手をつなぎ、600キロに及ぶ人間の鎖「バルトの道」を作り、ソ連併合50周年に抗議した。一連の東欧諸国の民主化と共産党政権崩壊の流れを受けて、12月にソ連のミハイル・ゴルバチョフ(Михаил Горбачёв)最高会議議長とアメリカのジョージH.W.ブッシュ(George Herbert Walker Bush)大統領がマルタ共和国のマルタ島で「マルタ会談」を行い、「冷戦」の終結を宣言した。

 東欧では、6月にポーランドで自由選挙が実施され、反共の「連帯」が勝利し、民主化への流れが進んだ。8月にハンガリーで「汎ヨーロッパ・ピクニック」と呼ばれた民主化活動で集団で「鉄のカーテン」を突破してオーストリアに亡命するパフォーマンスを行った。11月に東ドイツがベルリンの壁の通行を自由化し、翌日にベルリンの壁が崩壊した。チェコスロバキアで「ビロード革命」が発生し、ヴァーツラフ・ハヴェル(Václav Havel)氏らを中心に市民による共産党政権に対するデモやゼネストの抗議運動が広まり、平和的に共産党政権が崩壊し、チェコスロバキア共産党と「市民フォーラム」と「暴力に反対する公衆」が国家体制の円滑な転換を協議し、複数政党制が導入されるようになった。12月にルーマニアで東欧の民主化の流れを恐れたルーマニア共産党のニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceaușescu)大統領は民主化運動に対してソ連軍の介入を求めたがソ連に断られ、その後ルーマニア軍がチャウシェスク政権に反旗を翻した「ルーマニア革命」でチャウシェスク政権が崩壊し、チャウシェスク大統領とエレナ夫人が公開処刑された。

 中国(中華人民共和国)では、1982年~1987年に中国共産党総書記を務め政治改革を進めて中国の民主化にも理解を示していたことから党内で批判を受け失脚した胡耀邦(フウ ヤオパン)が4月に死去すると、胡耀邦を追悼する学生デモの規模が徐々に拡大し、デモの参加者が北京の天安門広場に集まるようになり、5月にソ連のゴルバチョフ書記長が訪中すると、逆にソ連の民主化が賞賛されるなど、中国共産党政権への批判が盛り上がっていた。これに対して中国共産党政権は戒厳令を敷き、6月4日に中国人民解放軍が市民に向かって発砲し、装甲車で市民を轢き殺した「天安門事件」が発生。民主化デモは残虐な武力で鎮圧された。天安門事件の処理をめぐって学生運動に一定の理解を示して武力弾圧に反対していた趙紫陽(赵紫阳/ツァオ ツーヤン)総書記は6月23日に解任され、中国の事実上の最高指導者であった鄧小平(邓小平/テン シャオピン)は、天安門事件の武力弾圧に理解を示し上海の学生デモをうまく処理したと評価された江沢民(江泽民/チャン ツォーミン)上海市党委書記を中国共産党総書記に抜擢した。英領香港(ホンコン)では、中国の天安門事件に抗議する大規模な集会が開かれた。また、天安門事件の民主化運動の指導者だった王丹(ワン タン)、柴玲(ツァイ リン)、ウルケシュ( ئۆركەش دۆلەت /吾尔开希)らは海外に亡命を余儀なくされた。東欧のような民主化ドミノは中国では成功せず、中国はその後も中国共産党一党独裁体制が維持されることとなった。10月には戒厳状態の中、中華人民共和国建国40周年の記念式典が行われた。

 台湾(中華民国)は、雑誌『自由時代』を出版する鄭南榕が1988年12月に許世楷博士の「台湾共和国憲法草案」を掲載したことにより、中華民国体制を維持し、台湾独立の言論の自由を容認しなかった当時の中国国民党政権下で反乱罪とされ、1月から「100%の言論の自由」を求める鄭南榕はそれに反抗するために出頭を拒否して自社の事務所に立てこもった。4月に警察が強行突入しようとしたところ、鄭南榕はガソリンをかぶって火をつけて抗議の焼身自殺をはかった。この悲惨な事件は、後に台湾の言論の自由の保障が促進されるきっかけとなった。4月に台湾と中国のオリンピック委員会が協議し、台湾代表が「Chinese Taipei/中華台北/チャイニーズタイペイ」の名義で国際スポーツ大会に参加することに合意し、妥協的な名義でありながらも、台湾のオリンピック及びその他スポーツ大会への出場が可能となった。8月に嘉義市に1947年に発生した「二二八事件」の記念碑が立てられた。10月に台湾初のプロ野球リーグ「中華プロ野球連盟」が設立された。12月に中華民国立法委員(国会議員)増員選挙(130議席)が実施され、与党・中国国民党が94議席、野党・民主進歩党が21議席獲得し、鄭南榕の夫人である葉菊蘭も台北市から当選した。

 このほか、6月にビルマの軍事政権が、対外的な国名呼称をビルマ「Burma」からミャンマー「Myanmar」に改名したが、軍事政権を批判する側はこの改名を認めない動きがみられた。10月にインドに亡命中のチベット亡命政府の指導者ダライ・ラマ14世(བསྟན་འཛིན་རྒྱ་མཚོ་)にノーベル平和賞が贈られた。

(参考:Wikipediaほか)

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